二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

ぐらにる 流れ ぷんぷん

INDEX|4ページ/5ページ|

次のページ前のページ
 

も直接対するガンダムマイスターだと知ったら、彼は、どうするのだろう。それでも、し

つこく追い駆けるのだろうか。

・・・まあ、あんたに悟られるようなヘマはしないけどな・・・・・

 わかったところで、立場は変わらない。だから、隠し通すしかない。寝顔を見ている場

合ではないな、と、立ち上がろうとしたら、後ろ手に引っ張られた。どすんと、ベッドに

尻餅をつく。

「・・・どこへいく・・・・」

「朝飯の支度。・・・・フレンチトーストを作ろうと思うんだけど、それでいいか? 」

「・・・ダメだ。姫は、そんなことをしなくていい。」

「いや、あんた、出勤だろ? 」

 いくら上級大尉という高い地位にいるからといって、遅刻するのはまずいだろう。それ

に、これから働くのだから腹に何かしら詰めておくほうがいい。それなのに、彼は、ぐい

ぐいと引っ張って、仕舞いに、俺を自分の上に倒れさせた。

「・・・今日は休みだ・・・」

「はあ? 」

「私だって体調不良で、午後から出勤という日があってもおかしくない。」

「い? それって、ずる休みってことか? グラハム。あんまり感心しないぜ? 」

 たぶん、彼のことだから、堂々とズル休み宣言をしてきたのだろう。で、また、彼の友

人は、それを認めたに違いない。すべては、「姫が待っているから」 という呪文で、説

き伏せているのだとしたら、もう絶対に、その友人には会いたくない。

「・・・・ニールが帰る日なんだ。見送らせてもらうさ。・・・だから、ニール、最後に

私にきみをくれないか? 絶対に、監禁なんてしないから、必ず、きみをエアポートまで

連れて行くから、きみを欲することを許して欲しい。」

 そして、堂々とズル休み宣言をしたであろう彼は、ずるずると俺を自分の下に敷き込ん

で、熱烈に口説いてくる。抱くまで諦めないだろう。それに、抱かれるのは構わない。き

っと、俺は目的地に着くまで、ぐっすりと眠れるだろう。

「グラハム、俺があんたに、また早く会いたくなるように、身体に覚えさせてくれ。」

 だから、返事は肯定だ。ここにいると毎日、夢を見る暇もないほど深く眠れる。それは

、身体が疲れているからというだけではなくて、純粋に欲しいと思ってくれる相手に抱か

れる安心感によるものも含まれている。ある意味、本当に、普段と違う状況に置かれてい

るわけで、気晴らしとしては最高だと思われる。

 肘で身体を起こして、彼が俺を見下ろして笑っている。

「ニール、強烈な誘い文句だな? 」

「あんたが先に言い出したんだけどな。・・・・本当に大丈夫なのか? 」

「ああ、大丈夫だ。だが、姫特製フレンチトーストも捨て難いな。」

「後で作ってやるよ。時間配分を考えてくれ。」

「この作業は、姫の協力なくしては成立しないので、姫も時間短縮に尽力するように。」

「はあ? それなら、その気にさせろよ。あんたのお得意の、その口でさ。」

 身を起こして、ちゅっと軽いキスをしたら、それから、とんでもない口説き台詞が続い

て、苦笑した。一生分言い尽くすつもりか? と、思うほどの甘い言葉は正直、使ったこ

とはあっても聞かされる立場になるとは思わなかった。



 前日から仕込んでおいたバケットのフレンチトーストは文句なく、こんがりと焼き上が

った。家庭の味ではなく、俺特製と彼が言うのは、メイプルシロップをかけるからだ。あ

まり時間はないから、ポテトサラダを用意するのが精一杯で、コーヒーメーカーで彼が入

れたコーヒーをカフェオレにして、食卓についた。

「これを食べると姫がいることを実感するよ。」

「そんなに、ご大層なもんじゃねぇーぜ。」

 のんびりと食事して、後片付けをすると、俺は、小さなカバンを手にして立ち上がる。

着替えは、ここで買ったものは、そのまま置いていくから、これといって荷物はない。

「姫、私くしに送迎の任をお授けいただきたい。」

「エアポートまでな。ゲートまではダメ。」

「わかっているよ。最後のドライブだけ楽しませていただくさ。」

 ゲートが判明すると、到着地まで判明してしまうから、エアポートの玄関まで、と、念

を押した。そのまま仕事に向うからと、彼は制服だ。真っ青な制服は、彼の瞳と同系色で

、よく似合っている。

「制服を着ると二割り増し男前になるっていうけどさ、あんたも、その口だな? 」

「くくくくく・・・・・姫は、何も着ていないのが一番だ。」

「・・・・また今度な。」

「ああ、次回にも期待しているよ。」

 少し長い抱擁をして、ふたりして部屋を出る。気晴らしは、もうすぐ終わる。




 預けた携帯端末を返して貰うために、東京特区へと戻った。協力してくれた刹那は、俺

が戻るまで特区に滞在してくれている。とにかく、発信機をつけられてはたまらないので

、服もカバンも、全部、隠れ家に行く前に捨てた。中身だけは、確認して新しい衣服に着

替えた。特区は、以前、彼と出逢った場所だから不審がられることはない。

 さっぱりとして、隠れ家に出向いた。もちろん、この隠れ家の合鍵も、持ってはいない

から、留守ならば、そこで待ちぼうけになる。

 折り良く、当人がいたのか、インターホンに、すぐに反応して鍵が開いた。だが、そこ

に顔を出したのは協力者ではなかった。

「え? 」

 俺を見たティエリアの青紫の髪が、ふるふると揺れて、それから、腕を取られて、中へ

引き摺りこまれた。

・・・・バレた?・・・・・

 確かに、以前の時は、彼のことがバレて、監視をつけられた。だが、あの後、さらに気

晴らしに出向いていることは、バレていないはずだった。バタンと乱暴に扉が閉じられる

と、いきなり、「あなたという人はっっ。」 と、怒鳴られて、ああ、これはバレたんだ

な、と、苦笑した。

「わざわざ、こんなことで、降りてきたのか? ティエリア。」

「こんなこと? そんな軽いものじゃないから俺が降りて来たんだろうがっ。・・・・・

だいたい、携帯端末も持たずに飛び出すなんて、どういうことですか? 何かあったら、

どうするつもりですかっっ。」

「えーあー、まあ。」

「刹那と喧嘩したからと言って、あなたが飛び出す必要はないでしょう。どうせ、あのガ

ンダムバカが、余計なことをしたに違いない。」

「え? いや、別に。」

「付き合うなとは言いません。あなたのプライベートにまで干渉するつもりは毛頭ない。

ただ、喧嘩したから、と、いって、闇雲に飛び出すような真似はやめていただきたい。」

・・・・あれ?・・・・・

 がんがんと責められているのだが、どうも話が見えない。彼と付き合っていることと違

うことで怒っているような口調だ。

「あの、ティエリア。ちょっと、話が見えないんだが? 」

「定期連絡が刹那から入りました。いつもなら、あなたも入れるのに、今回は一緒にいる

刹那だけだった。日にちを変えて、連絡したら、また、刹那だ。おかしいと詰め寄ったら

、あなたと喧嘩して出て行かれた、と、彼は答えたんです。・・・・・あなた方が喧嘩す
作品名:ぐらにる 流れ ぷんぷん 作家名:篠義