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こらぼでほすと 一撃8

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「あれはなあ。確かに、あれはヤバイって、俺も思った。」

 しばらく記憶もあやふやなくらいにおかしかったことがあって、ニール当人は覚えてい

ないから自覚はないが、ハイネもヤバイとは思った。反応のない人間なんて、怖すぎる。

だが、時間ぐらいしか解決のクスリはない、と、ドクターも診断していたから、手を出す

ことはなかったが、ニールが隣りに寝て欲しいと頼むことには応えるようにしている。そ

れで、眠れるなら、ハイネも心配しなくて済むからだ。

「・・・・悪いな・・・・」

「今更だろ? ・・・・そういや、おまえの亭主は一緒に寝てくれないな? 」

 夫婦と呼ばれているのだから、そういう用件は亭主に頼めばいいだろうに、大概、ハイ

ネが寺に居れば、ハイネが頼まれている。

「あの人、ベッドだろ? だからだよ。どうしてもの時は、客間に布団並べろって言われ

てる。」

「え? 」

「ダブルベッドだからさ、片方が動くと振動が、相手にも伝わっちまうから。」

「えーっと? それは、どういうことだ? 」

「三蔵さんは朝の勤行があるから、俺より早いんだよ。起きると、その振動で俺も起きち

まうから、それはよくないって言うんだ。寝られるなら寝ておけってことらしい。」

 最近は、弁当を作るから同じくらいには起きるんだけど、雨でダウンしてたり疲れて寝

坊することもあるからさ、と、付け足されて、ハイネは、はあーと大きく息を吐いた。と

てもわかりにくいのだが、かなり心遣いしているらしい。

「もしかしなくても亭主も過保護なんだな? 」

「そうだよ。あの人、かなり優しい人なんだ。言動が、アレだから誤解されてるけどな。



「いや、優しいとは思ってるけど、そこまでだとは知らなかった。いい亭主じゃねーか。



「俺には、もったいないくらいだろ?」

「いや、あれぐらいで、ちょうどいいんじゃねぇーか。俺も、精進して、ママニャンに優

しいって評価もらわないといけないな。」

「おまえさんも、大概に過保護だぜ? だいたい、大の男が、となりに寝てくれなんて言

うバカバカしい頼みを聞いてくれてるじゃねぇーか。」

「しょうがねぇーだろ。亭主がイヤだって言うなら、間男の出番だろ。俺が引き受けない

と、おまえ、寝不足になるんだからさ。」

「はははは・・・・・すいませんねー。」

「別に構わねぇーさ。その代わり、世話はしてもらってるからな。」

「月曜はラボか? 」

「ああ。弁当してくれ。それで、今夜の分はチャラにしてやる。」

「安い報酬だな? 」

「俺には、いい塩梅だ。」

 ここにいれば、ハイネも食事や服の洗濯なんかも、全て、ニールがやってくれる。つい

でに、頼めば、手作り弁当まで用意してもらえるのだから、多少のことなら、引き受けて

損はない。

「寝るか? 」

「おまえさん、まだ眠くないんだろ? 」

「とはいっても、ここで愛を語ってるのもなあ。」

「語ってないだろ。」

「今から語ろうか? 」

「俺にホストトークはかますな。俺は寝る。」

「はいはい、おやすみ、マイハニー。」

 ちゅっと投げキッスするハイネに、ニールは、バカと返事して部屋に入る。まあ、いい

感じにビールが廻っているので、ハイネも横になることにした。





 トダカのリハビリ期間は、無事に終了した。月曜からの一週間は、重いものだけは他の

スタッフに任せていたが、それ以外は概ね、順調に動けた。

「一時は、どうなることかと思いましたよ? トダカさん。」

 リハビリ期間終了の打ち上げは、金曜日の店仕舞いから始まった。残っているのは、じ

じいーずと沙・猪家夫夫だ。クローズしてから、ソファで快気祝いと称して飲んでいる。

「みんな、迷惑をかけて済まなかったね。もう大丈夫だから、通常に戻ってくれ。」

「俺たちのほうは、さほど被害はないさ。ただ、トダカさんの仕事は、ちょっと多いとは

思ったぞ。」

 虎からすると、トダカが開店準備の大半を、ひとりでやっているというのが、ちょっと

気になった点だ。いやいや、と、トダカは手を振る。

「きみらよりは少ないさ。虎さんはラボとエターナルの管理もしてるだろ? 私は店だけ

だ。」

「そうなんだがな。まあ、今のところは現状維持で頼みます。」

「そのつもりだよ。刹那君たちのことが落ち着くまでは現状維持させていただこう。」

 いろいろと外部に漏れるとまずい話があるし、ここのスタッフは、いろいろと有名人だ

。それがウワサになるのもまずいのだ。

「ここ数年のことだろうと予想しているんだが。CBのほうがいつ再始動できるかという

のが、まだ不明なんだ。機体のロールアウトが終わっても、調整や改良にも、ある程度の

時間はかかるだろうからな。」

 組織のほうが、あちこち導線を断たれているので、回復が遅い。王家からの資金提供は

以前より増えているが、いかんせん、それを使う側のほうが上手く機能していない状態だ

。実働部隊と開発部門は辛うじて繋がった様子だが、エージェントや他のバックアップに

不備が生じている。ヴェーダを奪われたのが、その原因だ。

「一部しかヴェーダが使えないらしいからな。キラが、それは、もうちょっとどうにかす

るって言っただろ? 虎さん。」

 キラが、その一部繋がっているヴェーダを相手に気取られずに、もう少し活用範囲を広

げられないか思索している。ここのところ、キラは日中はラボに赴いて、それをやってい

る。

「まだ、どうにもならんらしい。アスランとキラだけだと、相手の生体端末の動きを抑え

るのが難しいそうだ。」

「専門家が必要ってことか? 」

「そうらしい。他のアプローチも考えていると言ってたから、そのうち、何か言うんじゃ

ないか。」

 スーパーコーディネーターが策を講じているのだから、何かしら解決はされるだろう。

それは、ここにいる人間たちには手出しできる案件ではない。

「八戒、そういうわけでキラが指名のない日は休むかもしれんのでよろしく。」

「わかりました。そういうことでしたら、店のほうは任せてください。虎さん、ティエリ

ア君は、いつ頃降下するのかわかりましたか? 」

「いや、連絡が、まだないんだ。わかったら、メールを転送する。」

 MS組が、そちらのことで動くと、店のマネージメントは八戒のほうに任される。それ

には、ティエリアの出迎えとか、親猫の本宅への移送とか、そういうことも含まれるので

、沙・猪家夫夫も暇ではない。

「まだ、どこもかしこも五里霧中って感じだな。」

「そりゃ、一度、バラバラになった組織の再構成なんて、時間がかかるぜ? 悟浄。」

「そりゃわかるけどな。ママニャン、大丈夫なのか? 」

「騙し騙し、どうにか誤魔化すしかねぇーよ。」

「そこいらは、三蔵さんとトダカさんに、どうにかしてもらうしかないな。」

 組織の状態は、教えない方向だ。そういうことに考えが廻らないように、用事を押し付

けるなり、他の事に意識を向けさせたりするのは、亭主と父親に、と、鷹が言うと、トダ
作品名:こらぼでほすと 一撃8 作家名:篠義