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こらぼでほすと 休暇3

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「ダァーメ。ティエリアは、こっから接触禁止。明日、僕、お寺で、ごはん食べるからマ

マに言っておいて。えーっと、気分的にはオロシソバとか、そういうの。」

 大明神様にしても、一仕事終われば、お寺でごはんが標準装備となりつつある。あそこ

で、家庭的なごはんを、ニールと食べると、日常に戻った気になるからだ。

「じゃあ、こいつら全員、帰宅でいいんだな? アスラン。」

「ああ、そうしてくれ、ハイネ。」

 ヘリの運転手をしているハイネが、シン、レイ、ティエリアを特区へ送る。ラボのほう

の仕事もあるから、また戻ってくるつもりだったのだが、ダコスタが代わってくれたので

、そのまま、全員で寺へ戻った。トダカも、そちらに滞在しているから、そっちで夜食を

食べさせて貰うつもりで、メールした。



「おかえり。冷たいものより、こういうのがいいかと思ってさ。」

 寺に戻ったら、ニールが中華風鍋を用意していた。トダカーズラブの面々は、食事して

帰ったから、居るのはトダカとニールだけだ。クーラーをガンガンにかけて、鍋が煮えて

いる。すでに、トダカは冷酒で晩酌している。ティエリアが刺激物に弱いので、白湯スー

プだけの鍋だ。中身は、いろんなものが煮えていて、いい匂いが充満している。

「はあーこりゃビールだな。もう、おまえらも泊まっちまえよ、シン、レイ。」

「うん、泊まる泊まる。とうさんも泊まるんだろ? 」

 冷酒を、ぐびぐびと呑んでいるのだから、運転するつもりはないだろう。

「おとついから、ここで居候してるよ、シン。」

「あーねーさん、一人だったもんなー。」

 あんまり一人にしないほうがいい、というのが、年少組の統一見解なので、悟空が留守

の時は、誰かが居候をすることになっている。いつもは、ハイネがそうしているが、今回

は、ラボに借り出されていたから、トダカが代わっていた。

「シン、俺は、別に一人でもいいんだぜ? 」

 飲み物の準備をしていたニールが、呆れたように言う。傍には、手伝っていたレイがい

るが、苦笑している。

「またまたぁー、ねーさんは、一人にすると危ないだろ? ティエリア、ちゃんと昼寝さ

せたり、ごはん食べてるか見張れよ? 」

「わかっている。」

 ぐつぐつしている鍋の中身を確認していたティエリアが、力強く頷く。悟空にも、キラ

にも言われていることだ。それが、ティエリアの降下した本来の目的でもある。

「んなことはいいから、さっさと食え。〆は、ラーメンでいいか? 」

「「「 オッケー」」」

 それを合図に一斉に箸が出る。ティエリアは、どうしていいのやら、だから、ニールが

取り皿に入れてやる。

「辛いのがよかったら、一味か、ゆずこしょうを入れろ。」

 暑い盛りだから、刺激物があるほうが食が進む。ハイネは、とりあえず、ビールと、缶

を一気飲みだ。

「お疲れさん、ティエリア。」

「あなたも、お疲れ様です、ニール。」

「いや、俺、のんびりしてただけだよ。明日から、夏休みを満喫しような? 」

「ええ、あなたの監視を怠りません。」

「・・・・うーん、ちょっとニュアンスが違うような気がするぞ? 」

「俺は間違ってない。」

「はいはい、それは、また明日にな? とりあえず、熱いから気をつけて食べろ。」

 すでに、シンとレイは、がつがつと消費している。これでは、足りないな、と、具材を

横から継ぎ足して、ニールは笑っている。こういうのがあると、ニールは元気だ。特に、

紫子猫が、はふはふとイカを噛み千切っているのを見て、穏やかに微笑んでいる。


 しばらくは、アイシャが午後から顔を出してくれることになっている、という話を、ト

ダカがすると、レイが手を挙げて、「俺も居候します。」 と、自薦してきた。今回の休

みは、アカデミーへの入学のための論文を作成するのに集中するためプラントに帰る予定

はない。 ただいまは、その基礎資料の読み込みをしているから、データさえあれば、ど

こでもできる作業だ。

「おいおい、間男の仕事を横取りすんなよ、レイ。」

「だが、ハイネがラボに泊まりこむ日もあるし、俺がバイトの時はアイシャさんとティエ

リアがいれば、あまり間は空かないんじゃないのか? 」

「俺やキラさんも適当に顔出しすっから、いいんじゃね? 」

 悟空がいないので、レイは最初から居候する気満々だった。キラのフォローで出遅れた

が、ここからは居座るつもりだ。

「まあ、いいけどさ。」

 ハイネは、別に、一人や二人、居候が増えたところで問題はない。適度に世話が焼ける

生き物があれば、ニールはしゃんとしているからだ。

「それより、ハイネ、うちの娘さんが、ティエリアくんと、パンダを見に行くんだけど、

フォローを頼めるかい? 」

「はあ? この炎天下に、動物園ですか? お父さん。」

 ニールは、ティエリアが疲れているだろうと、早めに風呂に入れて脇部屋へ連れて行っ

た。戻ってこないところをみると、一緒に沈没したらしい。ということで、トダカは、依

頼を切り出した。

「とーさん、それ正気? この暑い時期に動物園てっっ。ねーさんには無茶だろ。」

「この間行って来たんだ。私とニールでね。その時は。パンダ舎だけ見て帰って来たんだ

。それに、パンダ舎は観察棟にも冷房が効いてたから問題はなかったんだけどね。」

「つまり、長時間、炎天下に滞在しないように間男に調整しろってことかい? 」

「そういうとこだ。ほら、うちの娘さんさ、こういう時は張り切るだろ? いろいろと園

内を連れ回すつもりなんじゃないかと思ってね。」

 ハイネにもトダカの言うことは想像できる。せっかくだから、園内の動物を全部見て回

ろう、とか言いだして、ティエリアと歩き回るに違いない。

「それなら、俺らも行きたいから、みんなで行けばいいんじゃないか? それで、ねーさ

んは、どっか、冷房の効いてるとこで休ませて、ティエリアを俺とレイで案内してやれば

いいとか、そういうのはダメ? 」

「たぶん、そうなるとキラも参戦してくるだろうな。・・・・いや、ここ四、五日なら無

理か。」

 キラのほうは、あと四、五日はかかる予定だ。微調整のほうが時間がかかる。明日は、

寺へ顔を出すだろうが、そこからは、また引き篭もり予定になっている。最終的に、ティ

エリアにバックアップデータを渡すのは十日後ということになっている。そうしないと律

儀な性格のティエリアは、データチップを渡した瞬間に、組織へ帰りそうだから時間調整

のためだ。確かに、組織のために有益だが、ティエリアは休んでいない。だから、少しだ

けキラが勝手に休みを作る事にした。十日後に渡して、そこから少し休みを取れ、と、命

じて、なんとか二週間の休みを確保だ。八月の頭に食いこむが、フェルトは、その後の予

定を崩さないように、と、あちらにも連絡してある。すでに、某国家元首様とか天下の歌

姫様が、そこいらの休みを調整したからだ。

「明後日くらいならウィークデーで空いてるから、そこいらで予定するか? おまえら、
作品名:こらぼでほすと 休暇3 作家名:篠義