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国城 龍耶
国城 龍耶
novelistID. 24182
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東方無風伝 その5

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 かっ、と竹刀同士が衝突する。俺が振った竹刀を妖夢は受け止め返す。
 後ろに跳び退き、一歩踏み込んでから再度一閃。妖夢は屈んで避け、低い位置から降り抜いてくる。身体をくの字に曲げて避ければ、妖夢は追い討ちを掛けるように走り込み、竹刀を突き出す。妖夢から逃げる為に下がろうとしていた足は不安定で、無理矢理に身体を捻り避けるが、足元がふらつく。
 それを見計らって、妖夢の足払い。今の俺が避けれるはずも無く、バランスを崩し倒れ込みそうになる。が、折り曲げた両腕を頭の近くまで持っていき、地面に接触すると同時に腕を伸ばし地面を押す。後転からの立ち上がりで体勢を立て直し、妖夢を見る。
 妖夢は深追いを止めて、立ち尽くしていた。俺の出方を窺っているようだ。
 すっと竹刀を眼の前で構える。自然な動作で、静かに流れるように。
 睨み合い。先に動く。
 地面を蹴り妖夢との距離を縮める。身構える妖夢との距離を縮めたところで、右足で力強く地面を踏む。妖夢は身を引こうとするが、今度は左足で同じ様に力強く踏む。

「くっ!」

 勢いを消さないように妖夢の傍を走り抜ける。その瞬間、妖夢を斬り付けたが、妖夢は寸でのところで防いだようだ。
 地面を削る様に無理矢理に勢いを消し、振り向き様に振う。妖夢は上体を反らし避ける。そのまま妖夢は倒れ込み、地面に手をついてバック転。それで俺から距離を取る。
 妖夢がバック転をしたところを畳み掛ける。間合いを詰めて、低い体勢から振った。妖夢はそれを高く跳び避け、飛び蹴りを繰り出してくる。

「ふぐぉあ!」

 それは俺の胸を強く叩く。衝撃で、二、三歩よろめいてしまう。着地した妖夢は其処を狙い竹刀を振う。なんとか竹刀を受け止める。が、それと同時に妖夢は次の線を引いていた。
 防ぐのが精一杯。次から次に襲う速過ぎる剣劇。眼で捉えるのも難しく、ほぼ直感で難を防ぐので手一杯。

「ぬ、おっ」

 一発一発は、竹刀が本物の真剣だとしても致命傷にもならない軽い一撃だが、その分手数で攻めるものだ。
 感覚だけに頼って防ぐ攻撃は、何時までも耐え続けられるものではなくて。
 生まれた大きな隙に、妖夢の一撃が与えられた。
作品名:東方無風伝 その5 作家名:国城 龍耶