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国城 龍耶
国城 龍耶
novelistID. 24182
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東方無風伝 その5

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 庭掃除をしている風間が手を止めて、空を見上げた。
 それに何か異変を感じたのか、妖夢が声をかけて、二人で仲良く話し始める様子がよく見えた。
 二人が仲良く話している光景を見ても、何も面白くはない。別段、あの二人に割って入って御喋りをしたいとか、そういう気分でもなく、ただ暇を持て余していた。
 私からすれば、風間はただの金づる。
 彼に貸したお金は、何れ利息を付けて返してもらう。その為には、彼には生きていてもらわないとならない。
 私は彼が生きる為に、この先も何かしらの手助けをするのだろうか。それが見返りに合わなくとも。
 ……いや、それはない。
 あくまでも、彼はお金を貸し与えただけ。きっと私はこれからも彼に恩を売り、それをネタにより高額の利息を請求するだろう。

「……あら」

 幽々子のそんな呟きが聞こえた気がした。
 隣の座る亡霊を見れば、空を見上げていた。まるで呆けたお婆さんみたいだ。

「大変、雪が降るわ」

 幽々子の呟き。不思議に思って空を見てみるが、確かに曇ってはいるが、その雲は薄い。雪が、とても雨でも降りそうではないように見える。
 本当に呆けたか? と私自身かなり失礼なことを思っていたが、紫の式神が言った。

「本当だ……。橙、今のうちにもう帰ろうか?」

 紫の式神は、私達人間とは桁外れに頭が良い。それでいて、獣の成り上がりでもあるから、鼻も耳も良い。彼女が言うのならばきっと本当なのだろう。

「そうか? 私には到底降りそうな空には見えないが。霊夢はどう思う?」

 魔理沙が言った。
 良かった、解らないのは私だけじゃなかったみたいだ。

「私にも、雪なんて降らないように思えるけど」

「いや、この天気は降るよ。でも、積もる程じゃなさそうだ」

 彼女達は、もう人間じゃない。きっと人間では感じ取れない何かを感じ取っているのだろう。
 そう言えば、つばめが低いところを飛んでいれば、雨が降る前兆だと言う話がある。きっとそれに通ずる、動物独特の勘があるのだろう。

「それでは、私達はもう帰るとするよ。幽々子殿、大変世話になった」

「なりましたっ」

 式神コンビは幽々子にいくつかの別れの挨拶を述べて、背を向ける。
 私もどうしようか、これを機会に帰ろうかしら。
作品名:東方無風伝 その5 作家名:国城 龍耶