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家庭教師情報屋折原臨也9-2

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僅かに聞こえる臨也の言葉に静雄は眉を顰めた。自分にというよりは、臨也自身に言い聞かせているようにも聞こえた。
「要は、全部俺が馬鹿をやった、ってことだよ」
臨也は静雄に付いた自分の血を見ながら、幾分出血の減った腹部に手を当てながら薄く笑った。
「これは、危ないかもね……」
痛みが度を越して感覚がおかしくなっていた。痛いというのはもはや知識の塊で、脳が意識の遮断を選択しようとしていた。
そこに馬の嘶きが響いた。思わず何事かと静雄は振り返った。
都市伝説がすぐそこに止まっていた。
 ―――首なしライダー?
バイクから降りるなり、速足に真っ直ぐこちらに向かってきた。敵か味方か分からず、静雄は臨也の身体を抱き寄せた。
「大丈夫……味方だよ」
臨也は静雄の腕を軽くつついた。
首なしライダーは膝を折ると、袖口からPDAを出した。
『お前、何やっているんだ』
「まぁ、そこは後で……とりあ…ず……」
新羅の所までよろしく。
そう続けたかったのだろうが、はっきりとその言葉が聞こえることは無く、臨也は目を閉じた。臨也、と声をかけたが返事はなかった。静雄は一瞬背筋が凍ったが、セルティは冷静に臨也の手首を掴んだ。弱いがしっかりと脈はある。
『大丈夫。気を失っただけだ』
それを見て静雄はほっとした。そして続いた一文に一つ頷くと、サイドカーに臨也を乗せて黒いバイクの後ろに跨った。