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アンジェラス

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いらいらするので機械いじりをしようかと思ったが明日運転手兼荷物持ちなのを考えて止める。部屋に帰って何か飲んで寝てしまえ。親の事は後で良いや…。

朝になったからといっていい考えが浮かぶわけでもなく食事に間に合うようにシャワー浴びて着替えて飛び出す。ブライトが食事して待っている。
「毎日きちんと食べて偉いな。」と言うと叩かれた。
「起きてすぐなんて食べられないよ。」
「お前ちゃんと食べてるのか。」
「一応。」たまに抜かすけど。
「早く嫁さん貰え…。」
「今時そんな理由で結婚してくれる人居るのか。」
「何時の時代も結婚の理由は色々だから誰かいるかもしれないぞ。」
「いいよ。今そんな暇無い。」
それにそんな理由で結婚するのは遠慮したい。軽く食べてから端末を持って出かける。憂鬱だ。

「朝っぱらから暗いわねー。」
「開口一番それですか…。」
「本当のことですもの。さ出かけるわよ。」
「はいはいっと。あれ?フラウは?」
「お子さんが熱出したので今日は出かけられないって。明日には下がるといいんだけど。ミライが子供達連れてくるから皆で動物園でも行きたいわね。」
「じゃ今日は二人きりですか。」
「そうよ。文句あるの?」
「一日中説教は嫌です。」
「そこまで暇じゃないわよ。はい。キー。」
表に出してもらった車に乗る。
「また派手な車ですねー。」黄色いスポーツカータイプ。
「折角だから一番目立つので来たのよ。たまには乗らないと可哀想でしょ。」
「そんなに何台もあるんですか。」
「普段は運転しないもの。」
「もしかしてスピード狂とか?」にっこりして
「運転してみましょうか?」
「なんか怖そうだから良いです。」安全第一。大人しく走り出す。
「こんな美人とデートなんだから少しは嬉しそうな顔しなさい。」
「まずどこに行くんですか。」
「ショッピングセンター。何でもそろうでしょ。子供服とか買わないと。データ見てないの?」
「まだです。ブライトは見てます。」
「指定の場所の側に個人で診療所開いてるそうよ。家政婦さんが色々買い物頼まれているとかでサイズは分かっているわ。病気がちの子で家から出ないとかほとんど喋らないとか割りと細かく調べてあるわよ。」
「落ち着いて見れないんです。外に出ないと。」
「昨日の晩のうちに見ていると思っていたわ。」
「昨日はちょっと。他に心配事があって。」
「ああ。お母さんのこと?」
「やっぱり知ってるんですか…。」
「場所調べたのわたしですもの。」
「本当に会いたいと言ってるんですか?」
「そんなに意外かしら。」
「前に会った時はほとんど話さなかったし…。」

親父の年金のことでサインをもらいに行ったきりだ。そのときおれのことはもう死んだものと思ってくれと言った。家の処分も再婚でも何でも勝手にしてくれとも。

「おかあさまはずっとあの家にいらっしゃるわよ。ほとぼりが冷めてから。」
「でも今まで会いに来たことはありません。」
「どこに居るかわからないからでしょ。軍にかかわるのお嫌いのようだし。」
「親父はずっと軍属でしたよ。」
溜息。つくづく夫婦のことはわからない。暫く無言で居るとショッピングセンターに着いた。
「さてお買い物よ。」
「嬉しそうですね。」
「楽しいもの。」
「ついでにフラウの子供にあげるハロの色選んでくれませんか。早々に塗り替えたいんです。」
「市販の色も色々あるでしょう。」
「発色良くないから好きな色に変えてあげたいんですが嫌われて教えてもらえなかったので。」
今日聞こうと思ってたんだけどなぁ。
「ハロは黄緑で良いんじゃない?」
「黄緑も色々あります。」
「そうね。任せて。」
「助かります。」
親のことも誰かに任せてしまいたい…。

荷物もちは黙って着いて歩く。まず子供服を最低限買ってあとは本人見てからねと言われ自分の服も選ばされ(少しはおしゃれしなさいと言われ)なぜか家具やら雑貨やら見て周り大工道具だのに行って塗装コーナー。何でも置いてあるもんだなと呆れる。
黄色っぽい黄緑を選んで一休み。冷たい飲み物を頼んでへばってると
「だらしないわね。そんなに重くないでしょう。」
「女性の買い物に付き合うの久しぶりなんで…。」
「最近決まった相手と付き合ってないんですって?」
「あちこち動いてますから。セイラさんまで結婚はとか言わないでくださいよ。」
「わたしは言わないわよ。自分がしてないのに。」
にっこり言われる。だから言うなと言うことだな…。そんな命知らずじゃないぞ。
一旦ホテル戻ってフラウの様子見て食事してから外に出る話になる。
「本当に目立ちますねこの車…。」
ちょっと離れたところに車が着いてくるのが見える。
「暇ね。」
「向こうも仕事です。」
「もっとスマートに出来ないのかしら。」
「それだとお金がかかるんですよ。」
「人力が一番安いのね。」
「そう言う事です。お望みなら撒きますか?」
「いいわよ。そこまでしなくても。あーでももっとわざとらしくいちゃついておけば良かったかしら…。」
「残念ながらもう着きます。」チラッとこっちを見て
「お世辞も言えるようになったのねぇ。」そんなしみじみ言わなくても…。
「セイラさんには敵いません。」車が止まった途端に足を踏まれた。痛かった…。

荷物を持って部屋に行くとまだ寝てると言うのでルームサービスを取って昼食を済ませ色の確認を取る。
「今晩中に色変えておけば後は名前と生体情報の入力だけだ。帰る前には渡せるよ。」
「ありがとう。」喜んでくれるかはわからないな。
「さて。午後からどうします。」
「そうねぇ。側まで行ってみたかったんだけど。カイもすぐ来るし。フラウを置いていくのは気が進まないわ。」
「おれが見てきますか?」
「あなたは近寄っては駄目よ。警戒されたら困るわ。」
「あのー一体何の話ですか?」セイラさんと目があってどうぞと促される。
「つい3・4日前に写真が送られてきておれの子供らしいんだけどその後具体的な連絡がなくて。カイさんが調べてくれてる。」
「誰の子供?」
「おれの」
「らしいってなに?」
「言われたこと無いから…。」いやー睨まないで…。
「そんな人だと思わなかったわ。」
「こっちは言われなきゃわからないよ。」
「ちゃんと避妊しておけば良かったでしょ。」
「落ち着いて。子供が起きるわ。」
フラウは睨んだままソファに沈み込む。殴られなかっただけましか。
「それでどうするの?」
「相手の出方待ち。なにが望みかわからない。大人しく子供を引き渡してくれるかどうか。」
「カイが調べてくれてるわ。お金で解決するならその方が良いでしょう。」
「お金ですか…。」
「スキャンダルだから金になるだろ。」また睨まれた。
「わたしはどうして呼ばれたんでしょう。」
「何時かは聞くなら早い方がいいと思ったのよ本人に文句も言えるでしょう?それに子供が同じぐらいの年なの。力になってもらえるかと思って。」
「子供に罪は無いですよね。」すっかり悪者になった気分だ。
「引き取る気なの?」
「そりゃそのくらいはしないと。」
「出来るの?」
「どうにかなるだろ。」
「結婚したらよかったでしょう。」
「出来ればね。」
「亡くなったの?」
作品名:アンジェラス 作家名:ぼの