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アンジェラス

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「キーを送ったのに。」キョトンとしてると「こい!」と連れ出される。こんなところで銃を撃たれても困る。大人しく着いて行くと車に連れ込まれて手錠をかけられる。そのまま乱暴な運転でホテルを出て住宅地に向かう。運転している男をチラッと見る。
「何の用ですか。」
「大人しくしてろ。」
いやな目をしてる。この男がデータやキーを送ってきたのか。基地からつけてきたのか誰か知らせたのか…。やることなすことなんかちぐはぐだ。止まった所に診療所の看板。自宅に連れてくるのもどうよ。精神的に危ないのかもしれない。そう思うとむやみに逆らえない。今頃みんな居なくなったのに気がついたかな。言われるままに中に入って診療室に連れて行かれる。血を抜かれて部屋に閉じ込められる。始終無言だ。

ベットに座って耳を澄ます。音は特に聞こえない。ここからどこかに移動するんだろうな。横になって目を閉じた。何か気配があるだろうか…。
端末は取り上げられなかったので上着のポケットにある。見た所たいした設備も無さそうだし。なにやらかなり危ない気がする。綻びる世界。その中心に子供が居るんだろうか。何処にいるんだろう。近くにくれば分かるかと思ったがそんな簡単にはいかないか。それとも意識が無いのか…。間に合わなかったのか…。

ドアが開いて灯が点く。眩しくて目を隠して起き上がる。
「手を出せ。」大人しく手を出すと注射をされる。
「何を打ったんだ。」
「単なる麻酔だ。暴れられると困る。」
「それは生憎だね。おれは薬に色々拒否反応が出るんだ。」
はったりじゃなく気持ち悪くなってきた。拙いな。段々顔色が悪くなっていくおれを見て慌てて手首に埋め込んでる生体チップの情報を読んでる。そう言う事は最初にやってくれ…。
「…かっ」息が出来ない…。気が遠くなる。遠くで何か感じた。

気がついたら暗くて側に人の気配がする。数値が安定したとか聞こえる。息は苦しくないがぼ〜っとしてだるい。何処だろここは。目を開けるとアップで青い目。。うわぁ。瞬き…。
「気がついたわね。」
「何処…。」
「無理に話さないで。診療所の地下よ。」ふーん。電気代のかかる話だな。
「点滴が終われば動いても大丈夫なはずよ。少し寝てなさい。」
「子供は…。」
「まだ探してないの。」さっき気配がした気がする…。身を起こしてみる。
「アムロ。」少し眩暈がするが動けそう。針を抜いてベッドから降りる。
「杖無いですか…。」溜息ついてから
「持ってくるから待ちなさい。」
「すみません。」部屋を見渡すと上違って色々置いてある。ガラスの向こうでブライトとカイさんが何かやってるのが見える。データを集めてるのかな…。
「フラウは…。」
「ミライさんとホテルで待っているわ。お母様も。」
「あの男は。」
「そこに居るわよ。治療をしくれたの。」変な人だな…。よく見ると部屋の隅で座り込んでる。子供を連れてきてくれればいいのに。喋る元気が無いので松葉杖をついて部屋を出る。
視界がちらちらするのは無視。機械室のドアのほかにエレベーターのドアしか見当たらない。日の当たる部屋に居るはずなんだけど。壁に寄りかかって目を閉じる。機械室のドアの向かいか。よれよれ進んでドアの前に行って向かいの壁を触る。出てきた鍵は数字を打ち込むタイプ適当に打ち込んだら開いた。
柔らかい灯。日の光をあつめて反射させてるのかな。窓は無いのか…。ぼーつとしたままベッドに近づくと子供が丸くなって寝てる。髪が赤いな。髪に触れるとぱっと目を覚まして突き飛ばされた。
「嫌!」そのまま尻餅をついてしまう。
「いったぁ…。」眩暈もするしもう動けない。そのまま膝を抱えて丸くなる。
「アムロ。大丈夫?」
「この子を…。」
「大人しくしてなさい。上に車椅子があるようだから持ってくるわ。」
目がチカチカどころか真っ暗。吐きそう。暫く動けなくてじっとしてたら
「どうして分かった。」と聞かれる。顔も上げないで
「何となく…。」苛立たしげに「なんなんだ。」と言われても説明する気にもならない。
「そんなことで文句言うようじゃNTの研究なんか無理だろう。」とカイさんが呆れたように言うけどそれも違うんじゃないかな…。
「NTの認定がされて無いんだから元々無理だと思うぞ。」莫大な金を使ってたが大して成果は得られなかったはずだ。
「とにかくこの子は連れていくぞ。」
「このデータも。」
「そんな子はもういらない…。」
「あ・そう。」
「こんな狭いところで角突き合わさないで。上にあがりましょう。」
「アムロ。」ブライトに肩を貸してもらって車椅子に座らせてもらう。頭が痛い。おびえてる子供をセイラさんが優しく話しかけて宥めてる。ブライトが押してくれて先に上にあがって庭に出る。星が見えた。
「虫が出るぞ。」
「外のほうが空気がいい。」
「薬は飲まなくていいのか。」
「点滴続けた方が良いんだろうけど。後でいいよ。それで何時来たんだ。」
「お前の治療の最中。息が止まってチアノーゼが出ていた。正直死んだかと思った。」
「おれもだよ…。」そのまま星を見上げる。
「ミライさんには連絡した?」
「病院によって朝には戻るといってある。車に乗って待っていたほうが良い。」
「うん。」後部座席で窓を開けて待っていたら二人が子供を連れて出てきた。カイさんが抱き上げてる。後ろに乗せるとおれから離れようとする。セイラさんがかかえて頭を撫でてる。そのまま病院に向かった。とりあえず二人とも入院。

朝にはみんな顔を出して口に出さずとも目が怒ってる。
フラウは「元気になったら覚えてなさい。」で済んだが流石に親はそれではすまない。
「あなたって子は。皆さんに迷惑かけて。」
「ごめん。」
「心配して眠れなかったわ…。」
「ごめん。」
「アムロが悪い訳じゃありませんから。」とミライさんがとりなしてくれる。
まだ寝かしておいた方がいいからと連れて帰ってくれる。はー。セイラさんが病院と打ち合わせがあるとかで残った。
「子供は?」
「検査中。」
「誰かに合わせました?」
「ミライさんだけよ。」親にどう言おう…。
「あなたも着替えなさい。」濡れタオルを渡されカーテンを引かれた。
「昨日は何故あっさりついていったの。」
「素人の銃なんて怖くて逆らえません。ましてあんな場で。それに逆上してましたし。なんと言うか変な人でしたね。」
「まあ・脅しておいたから大丈夫だと思うけど。念のために証拠も押さえてきたし。」
「お手数かけます。」洗濯物こっちね。と袋を渡される。着替えてカーテンを開ける。
「はい。少しは大人しく寝てなさい。それが一番なんだから。」
「お願いがあるんですが。」
「なに?」
「おれの部屋から大きいハロを持ってきて欲しいんです。入院中に仕上げたいので。」
「いいわよ。」と出て行く。暫くやることが出来たな、あとは親になんていうかだ。うーん。

次の日から母が世話によってくれて洗濯とかしてくれる。ハロを組み立ててるのを見て呆れながら何か欲しいものは無いのかと聞いてくれる。
「あのね。」
「なに?」
「話さなきゃいけないことがあるんだけど。」
「そうでしょうね。」
「実は子供がいてさ。」
「誰の?」
「おれの。」
「何それ…。」
作品名:アンジェラス 作家名:ぼの