二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

永遠にうしなわれしもの 第一章

INDEX|12ページ/13ページ|

次のページ前のページ
 

「もう起き上がってもよろしいですか?」
 
 シエルは立ち上がり、背をむけ
 「ああ。」と短く答えた。

 背中越しに、セバスチャンが執事服をはたいているのが分かる。

 「坊ちゃんの服も血で汚れてしまいましたね。
  今、着替えをご用意致します。
  こちらへどうぞ。」


 シエルが通された部屋で待っていると、ドアをノックし、セバスチャンが入ってきた。
  「失礼いたします。」

 袖口が血で汚れた上着とシャツをさっと脱がせて、新しい黒いシャツを袖から通させ、ボタンを一つ一つはめてゆく。
 その首にはまだ、シエルの牙状の歯の跡がくっきり残っていた。

 己の愚行を暗に非難されている気がして、苛立ちまじりにシエルが問う。
  
  「それは嫌味か?」

 眉を顰めて、まるで何のことだかわからないという顔をするセバスチャン。
  「何がでしょう?」
  「その程度の傷、すぐにお前なら消せるだろうが?」

  「ああ、これですか。
   思う様噛んで頂いたので、こう見えても傷は結構深いのです。
   もうしばしお待ちいただければ、消えるかと。」

 セバスチャンはすらすらそう述べると、
にっこり微笑んで、慇懃に丁重な会釈をする。

  「ふん!」
・・それが嫌味だというんだ・・