ネウロ関係ショートショートショート
「日付変更線に行ったことあります?」
「いや……ねェだろ普通」
ですよねーと、巷で話題の女子高生探偵はホワイトチョコレートを頬張った。
「どの辺にありましたっけ?」
「日付変更線がか?」
「そう日付変更線が」
「地理習ってねーのかよ現役じょしこーせー」
巷で話題の現役女子高生探偵は、わすれちゃった、と悪びれず笑った。立ち上がって思い当たる棚を開くと世界地図が転がってきた。一発で見つかるなんて俺ってすげー。地図を広げてテーブルを覆う。探偵は直前にしっかり菓子類を除ける。(自分のもとに引き寄せたとも言える。)
「これじゃん」
「へーまっすぐじゃないんですねー」
「人間が引いた線だから好きに変えられるんだろ」
「ふうん」
「これから行く用事でもあんのか?」
「日付変更線に?」
「そう日付変更線に」
探偵は一息置いて、一掴みのスナック菓子を口に入れて、「行ったら何か変わるかなぁ」と呟いた。
意味がわからないけれどとりあえず。
「日付は変わるんじゃねーの」
作品名:ネウロ関係ショートショートショート 作家名:綵花