ぱぴぃらぶ!!
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気がつけば、シノンさんもガトリーも酒を注がれていたのであろうコップの荒れ狂う机に突っ伏して眠っていた。僕はいつの間にか眠ってしまっていたらしい。
まだ夜も深い。僕は重い体を自分で起こしあげた。
腰が少し痛い。座って突っ伏して寝ていたからだろう。シノンさん達も大丈夫だろうか。いや、心配するべきは二日酔いの方だろうか。僕も二日酔いっぽく少し気分が悪い。
僕は机に突っ伏している二人のいる部屋を後にし、いつも寝る部屋へ向かった。
廊下を歩くとぎしりぎしりと僕の後を音がついてくる。
立派な拠地ではない為か、歩くときしみが酷く耳につく。ぎしりぎしっぎしっぎしっぎしぎしぎし・・・・あれ、おかしいなと思った。いくらなんでも、歩くだけでこんなに小刻みに音がなるはずはない。
ふと周りを見るとミストのいつも寝ている部屋の前にいて、その部屋から、きしみと共に声が聞こえることに気がついた。
そしてこの声は寝言じゃない、きしみも寝相が悪くてぎしぎしいっているわけでもない。それに、何よりこの音たちは一人分の音ではない。
ああ、ああ、ああ、僕は理解した。信じたくない自分に当たり前のことだと言い聞かせた。
全く不思議なことじゃない。むしろ、正しいことをしているんだ。汚いことじゃない、嫌なことじゃない。
でも、襲ってきた。
強い、強い、純粋なとびっきりの嫌悪感と、何かが抜けて空っぽになっていく感じが。しかしぎしぎしぎしぎしそれでも音は止まらない。
僕は音から逃げたい一心で自分の寝るべき部屋に入り、布団を頭までかぶり寝ようとした。もう何もかも、どうでも良かった。気分が悪い。酷く、気分が悪いのだ。