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野沢 菜葉
野沢 菜葉
novelistID. 23587
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キスしたい!!

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Side:S
突拍子もない言動にあたふたして
触れられるだけで身体中の熱が上がって
抱きしめられるだけで壊れてしまいそうなくらい胸が高鳴る

だけどそれが幸せで、このままずっと一緒にいたいなってそう思ってた。

***
「あっもうこんな時間。」
「まじ?じゃあそろそろ帰らねぇとな。」
帰り道、寄り道って言いながらオレの家の途中まで田島は送ってくれて、折角だからとそのまま2人で話し込んでいた。
田島といるのは楽しくて、いつも時間が経つのが速く感じる。少し寂しくなってそっと田島の服の裾を掴むと、田島はすぐに気付いて、代わりにオレの肩を抱き寄せてきた。
「ちょっ!田島!!」
「えっ?だってこうしたかったんじゃねぇの?」
それはそうだけど、こんなところで恥ずかしいっていうか…でも、オレから行動しちゃったからなぁ。
こうやって、直球で気持ちを伝えてくれるの、本当はすごく嬉しいんだ。
ふと、顔をあげると、田島と目が合った。
「…っ」
恥ずかしくてすぐにまた顔を伏せてしまったけど、なんだか違和感を感じてもう一度そっと田島を見た。
すると、田島はなんだか苦しそうな表情をしていた。
(…どうしたんだろう?)

その後、田島が帰ろうと言ったのでそのまま別れたけれど、オレはさっきの表情が気になっていた。最近あの表情をする田島を見ることがある。ふとした瞬間に、何かに耐えるような苦しそうな表情をする。
(何か悩みでもあんのかな?それともオレがさせてんのかな?)
なんだか胸の奥がザワザワした。

***
今日は家で弟が1人で留守番をしているので、練習後すぐに部室を出た。
しかし途中で忘れ物をしたことに気付き、大した物ではないが一応取りに行こうと、来た道を戻って行った。
部室の前まで来ると、話声が聞こえることから、まだ帰っていないらしい。
ドアノブに手をかけようとしたその時、

「俺?俺はちょー我慢してんよ!でも栄口がさぁー」
声で誰が話しているのかすぐ分かる。しかも、その内容は自分のことらしい。
動いていた手がピタッと止まる。

「栄口が?」
「栄口がダメそうだから…」
(えっオレ!?オレが何かダメなことしたのかな?)

「まぁわかるっちゃわかるけどな。」
パシンという音にビックリして、我に返った。
これ以上は何か聞いてはいけないことを聞いてしまうような気がして、オレはその場から逃げだした。

***
家に帰って弟の面倒を見て寝かせて…そこまでは何も考えずに働いた。
だけど、風呂に入って部屋に戻ると、急に押し寄せてくる不安。
最近見せるあの苦しそうな顔はどうやらオレに原因があるみたいだ。何か不満があるのだろうか。
田島はいつでも直球だから、思ったことは言ってくれそうだけど、優しいから我慢してくれるんだ、きっと。
抑えきれない不安を隠すように布団に潜り込む。
もし田島に嫌われたら…
(嫌だ嫌だ嫌だ)
毎日が幸せすぎて考えてなかった。何にだって終わりが来るのに…。
でも、だけど、
(まだ終わらせたくない)

田島に好かれるためにオレはどうすればいいの?

作品名:キスしたい!! 作家名:野沢 菜葉