テニスlog
「……何スか先輩、これ」
「笹だけど?」
「いや、それは分かってます。それはどっから?」
「ウチにあったのを、一寸枝切って持ってきた」
「へー。で、そのミニマムサイズな笹で、一体何をしてんスか?」
「桃の頭をわっしゃわっしゃしてる」
「………それは何故に?」
「初詣とか行くとさ、神社でしてくれるじゃん。あの白いヤツに何か似てない?」
「似てません」
「えー?お前想像力足りてないんじゃないの?曲者なんだからさ、それくらい気付けよ」
「いや、無理ですってば。流石に先輩の思考には俺も付いていけません。てか、それ好い加減退けてくれませんか」
「もうちょっと」
「…何でそんな一生懸命なんですか。そんなやりたかったんスか?」
「んー、てか、」
「てか?」
「ご利益が、あるかなーと」
「は?」
「願い事書いて、短冊飾って。だったら普通にこうやっても、願い事、叶うんじゃないかと思って」
「…相変わらず突飛っスね」
「普通に祝うのは詰まんないでしょ」
「それはそれで良いとも思いますけどね。で、」
「ん?」
「ご利益は、ありそうですか?」
「どうかな。どう思う?」
「…今日遠回りして帰りましょうか。ソレ、飾りに行きましょう」
「賛成。良い事ありそうだ」
「叶うと良いですね。願い事」
「おう。頑張れよ」
「そーっスね。頑張りますよ」
「楽しみだなぁ」
end.