鬼殺し 破
~護るもの、大切な仲間(後編)~
ガッキィイン!
斗卿の刀を止めたのは、倒れていた銀時だった。
「な・・・何故!?」
斗卿は驚いていた。
「何故かって?俺は仲間を護るためなら何度でも立ち上がるんだよ・・・!!」
銀時は、紅い、まっすぐな目で斗卿を睨んでいた。
「銀さん・・・!」
新八たちは銀時を見ていた。
しかし、すぐに銀時はうずくまってしまった。
さっきやられた傷が深かったのか傷口から紅色の血が流れ、息を荒くしていた。
それを見ていた斗卿は
「護れないのに護るなんていうからそうなるんですよ。白夜叉。」
ドクンッ
「ウアッ!グアァアアア!!」
銀時は苦しみだした。しかし、斗卿は止めなかった。
「白夜叉。お前は何も護れない天涯孤独な存在なんですよ。お前に護れるものなんぞ、一つたりと もありませんよ。」
銀時は苦しみ続けた。涙を流しながら。
その時
「・・・じゃねぇヨ。ふざけんじゃねぇヨ!」
神楽は叫んだ。
神楽は、殺気をかもしだし、怒っていた。
銀時のことを斗卿が、「天涯孤独」と言ったから。
「銀ちゃんは・・・天涯孤独じゃないアル!銀ちゃんには私たちが居るアル!」
新八も神楽に続き
「銀さんは・・・僕達の大切な」
「「家族です!!/アル!!」」
「万事屋には、俺達も居るぜ。なあ?近藤さん、総悟、山崎」
近藤、総悟、山崎も力強く、頷いた
「これ以上やるのは時間のロスです。無理やり、連れて行かせて貰いますよ?」
その時、
「新八、神楽、ゴリラ、大串君、総一郎君、ヅラ、高杉・・・ごめん」
銀時は、静かに目を閉じ立ち上がった。
『万事屋/銀時/銀さん/銀ちゃん・・・?』
銀時は、持っていた刀を首筋に当てた。
その時、全員が銀時が何をしようとしているのか察知した。
真っ先に動いたのは、土方だった。
「万事屋!!」
土方は、銀時の刀をはじいた。
「何てことしようとしてんだ!」
土方は、銀時の肩を持ち、まっすぐ銀時の目を見た。
「・・・もう無理なんだ。俺には、護れる気がしねぇ。だから・・・」
パァアン!
土方は、銀時の頬を平手打ちした。
「・・・ッ!」
「お前がそんな弱気でどうすんだ!お前が餓鬼を護らなかったら餓鬼はどうすんだ!護るもんが沢山在 るんだろ!今弱音吐いたら護れねぇぞ!銀時!!」
土方は、銀時の胸倉を掴んで言った。
銀時は、涙を流しながら刀を拾い上げ、土方のほうに振り向き
「そぉだなぁ・・・ありがとよ。大串君」
薄く笑った。
「大串じゃねぇって言ってるだろ。」
土方も薄く笑った
しかし、
ザシュッ!
斗卿は
銀時の
腹を刺した。
銀時はとてつもない痛みに息をする事もままならぬ
倒れた、崩れるように。
『万事屋/銀時/銀さん/銀ちゃん!!!』
新八たちは、銀時に駆け寄ろうとした時、
斗卿は、銀時を抱え宙に飛んだ
「銀さぁあん!!!」
「銀ちゃぁああん!!!」
「「旦那ぁああああ!!!」」
「「万事屋ぁあああ!!!!」」
「「銀時ぃいいいい!!!!」」
しかし、銀時は気を失ったままだった。
斗卿は、壁に飛び乗ると行ってしまった。