鬼殺し 破
~宣告~
斗卿は、銀時を連れてアジトに帰った。
「只今帰りましたよ。黒夜叉様。」
「ご苦労、斗卿。白夜叉は意識を失っているみたいですね」
「黒夜叉様、白夜叉は自分の力を制御できるようです。」
「そうか・・・あの薬を打つか。」
そういうと黒夜叉はにやっとし、
「斗卿。白夜叉を監禁部屋に連れて行くように。あと、奴らに言っておけ。
『5日後、ターミナルに来い』ってな。」
「わかりました。」
斗卿は部屋から出た。
「5日後が楽しみだ。楽しい喜劇が見れる!」
部屋には、黒夜叉の狂った笑い声が響いた。
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一方その頃、万事屋に一人の女がやって来ていた。
お妙だった。卵焼き《ダークマター》を新八たちに持ってきたのだった。
ピーンポーン
「銀さーん居ませんかー?」
しかし、誰も居なかった。
「寝ているのかしら?」
ガラガラ・・・
お妙は万事屋の引き戸をを開けた瞬間何かおかしいと思ったのだった。
万事屋の中で誰かと争った形跡があったからだ。
お妙は、リビングに来たとき目を丸くした。
そこには、いつもの社長机と椅子。そしてソファー二つと机といういつもの万事屋の様子は跡形もなく、社長机と椅子、ソファー二つと机は無残に壊れたくさんの血がついていた。
お妙は、万事屋3人を探すため、真実を探るために真選組に向かった。
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お妙は、真選組に着いた。
しかし、真選組の様子がおかしかった。
いつもはザワザワしていてもおかしくないのに、やけに静かだった。
いやな予感がしたお妙は急いで真選組の中に入った。
「新ちゃーん、神楽ちゃーん」
そのとき、万事屋でも漂っていた血のにおいが、漂っていた。
お妙はそれを頼りにして行った。
約5分たったときにある一室に着いた。
そこに、新八たちが居た。
しかし、ある者は顔を伏せて泣き叫び、ある者は空を見ながら泣き、ある者は腕をくみ、目を閉じていた。
そしてそこらじゅうに飛び散ったたくさんの血痕・・・
お妙は、口を押さえ、床を見た。
そこには、銀時が、離身離さず持っていた木刀があった。
「銀さん・・・」
その時、神楽がお妙の存在に気づき
「姉御・・・」
「神楽ちゃん、何があったのか教えてくれる?」
お妙は、神楽に優しく聞いた
「・・・・銀ちゃんが・・・斗卿って奴に薬打って連れ去られたアル・・・」
「神楽ちゃん・・・」
神楽は泣きじゃくりながら言った。
その時
「お取り込み中すいませんねぇ。」
泣いていた新八たちの前に現れたのは斗卿だった。
新八たちは警戒していた。
刀を構えて。
それを見た斗卿がふふっと笑い
「今日は戦うために来たんじゃないんですよ」
新八は睨みながら
「じゃあ、なんで来たんですか?早く銀さんを・・・銀さんを返せ!」
「そうネ!銀ちゃんは何処にやったネ!?」
新八に続き、神楽が言った。
「白夜叉ですか・・・今、黒夜叉様の手で、白夜叉を最終段階にさせています」
「おい、おめぇ。さっき黒夜叉と言ったな・・・!」
高杉は狂ったように怒り、刀を振り下ろそうとした時、
「高杉今は落ち着け!」
高杉を桂が止めていた。
「ヅラ!憎くねぇのか!?俺たちから松陽先生を奪ったのは誰だ?黒夜叉だ・・・!それを・・・見逃せというのか!」
高杉を止めていた、桂は伏せながら言った。
「ああ・・・憎いさ・・・でも、今はそれをしているときではないんだ!銀時を助けるのが先決だ!」
高杉は仕方なさそうに刀を下ろした。それと同時に新八たちも刀を下ろした。
その時、桂が警戒しながら、
「お主、最終段階とはどういうことだ?」
斗卿は鼻で笑いながら
「私たちが打った薬より強力な、薬を打ち白夜叉の精神を全てぶっ壊す。」
「そんな・・・!」
「なんで・・・なんでそこまでしないといけないアルか?!私たちの銀ちゃんを返すアル!」
すると、斗卿は
「5日後、私たちは白夜叉を連れて日が昇ると共にターミナルに来るので。白夜叉を返して欲しけれ ば、来るがいい。」
「なっ・・・!」
「それでは楽しみに待ってますから。」
そういうと、斗卿は姿を消した。