鬼殺し 急
~神威~
お妙が新八たちの方に向かっている頃、新八たちはターミナル最上階に向かっていた。
その時、
「あのお侍さんの仲間?弱い奴には興味ないよ。」
新八たちは声のするほうを向くと春雨第七師団団長、神威がそこにいた。
「おい、あれって・・・」
驚きながら土方が言った。
それに、神楽が
「なんで・・・なんで神威がいるアルか?!」
それに神威が
「神楽もいるのか・・・弱い奴には興味ないよ。」
そういうと、傘を投げた。
ビュンッ!
「危ない!リーダー!」
「神楽ちゃん!!」
その時、神楽の前に出て神楽を守ったのは
沖田だった。
ガキンッ!
「総悟っ!」
沖田は剣で傘をはじいた。
「チャイナ、もうすぐでやられるところだったぞ。」
それを見ていた神威は手を叩きながら
「へぇ~君やるねぇ~強いの?」
静かなターミナルの中で神威の声が響いた。
神威は傘を取りに行きながら
「それにしてもっ・・・君って面白いねぇ~神楽を守って自分を傷つけるって」
それに、神威と沖田以外驚いた。
剣で傘をはじいた時に怪我をしたのだろう
沖田の腕からは、ドクドクと血が滴り、ポタポタと冷たい床に落ちて染みを作っていた。
それを見た神楽は
「なんで私を庇ったアルか?!」
「なんでぃ。もう少し素直に礼を言えないのかぃ」
そんな神楽と沖田の様子を見ていた土方が喧嘩の仲裁をした。
「おめぇら。今は喧嘩している場合じゃねぇだろうが。」
土方の言葉で、沖田と神楽は渋々、喧嘩をやめた。
皆がほっとした時に、神威が
「ねぇ~俺の相手は誰なの?強い奴じゃないと楽しくないなぁ~」
その時、
「わっちらが相手をしてやる!」
「貴方達は行きなさい!後から私たちは向かうから!」
新八たちが振り返った先には
吉原の百華の頭、月詠
元御庭番衆、殺し屋さっちゃんこと猿飛 あやめ
がそこにいた。
そして、後からお妙が走ってやって来た。
「姐上!」
その時、土方が
「こいつ等呼んだのはお前か!?」
それに、お妙が
「そうですよ?味方が多い方がいいと思いまして。」
「それもそうだな。」
土方はお妙の言葉に賛同した。
その時、
「ねぇ~早くしてくれない?もう待ちくたびれたんだけど」
神威が傘でもてあそびながら言った。
それを見た月詠、さっちゃんは
「さっきも言ったが早く行きなんし。」
「私たちも後から向かうから。」
それに土方は
「誰だかわからんが後から絶対来いよ。」
と言った後、神楽たちに
「おい、おめぇら行くぞ。」
と言った。だが。
「マヨ、私ここに残りたいアル。」
「土方さん、僕も此処に残らせてください。」
神楽の言葉に土方は驚いて
「お前・・・!何言ってんのか分かってんのかわかって・・・」
「神威を・・・兄貴止めたいネ!」
「僕は神楽ちゃんを守りたいんです!」
「任せるヨロシ!」
「お前等を死なせたら万事屋に見せる顔が無い!」
土方は新八と神楽を止めようとした
それに神楽と新八は叫んで
『いいから早くいけぇえ!!』
それに、土方が
「ちゃんと来いよ。」
『分かってます(アル)!!』
土方たちは、新八と神楽がそう言うと、最上階へと走って行った。
土方たちが行ったのを見届けた後、神楽たちは各々の武器を構えた。
それを見た神威が笑いながら、傘を神楽たちの方に構えた。
一瞬の珍黙。
それを破ったのは神楽だった。
「うおぉおおお!!」
走りながら傘を神威に向け、火を噴かせ、それに続き
月詠、さっちゃんがクナイや手裏剣を神威に一斉放射させた。
それに神威は
「戦い方は良いけど、弱い奴には興味無いんだよ。」
煙が立ち込めている中、片手で全てを止め、もう片方の手で、走って来た神楽の首を掴んだ
「ゴホッゴホッ・・・カハッ・・・!」
「神楽ちゃん!」
「やるわね・・・」
「チッ・・・」
神威は笑いながら、実の妹であるはずの神楽の首を掴んだままで、神楽は暴れながら、苦しんでいた。
それに神威は
「煩いなぁ。殺しちゃうぞ?」
グサァア!
神威は何が起きているのか分からなかった。
新八は、神威の腹を刺していた。
「っ・・・!」
「しん・・・ぱち・・・!」
「神楽ちゃんを・・・!はなせぇええ!!!」
新八は刀を抜くとまた、神威を刺した。
ズバッ!
グサァア!
「~っ!!!(この眼鏡の何処からこんな力が・・・?!)」
新八は怒りで己を忘れ、思うがままに神威を刺した。
腹を、胸を肩を。
それを繰り返していたら、
バタッ
神威は倒れ、神楽は神威の手から解放された。
その時、新八は我に帰り、神楽の元へ行った
「ゴホッ・・・ゴホッ」
「神楽ちゃん!大丈夫?」
新八は頬に付いた血を拭きながら言った。
それに神楽が
「新八ぃお前に血はあわないネ…」
その時神威が、
「今日のところは此処までにしてといてあげるよ。でも油断していたらまた来るよ?」
そういうと、どこか行ってしまった。
月詠は神威が行ったのを見届けると
「わっちらも急ぐでありんす!」
そういうと、最上階へ向かって行った。