鬼殺し 急
~約束(前編)~
高杉たち、やっとの事で最上階に着いた、その時だった。管制室から斗卿の声が響いた。
「よく此処までこれましたねぇ。でももう終わりですよ。貴方達は此処で死んでいくのですから。」
それに、高杉が
「俺達は死なねぇぜ。銀時を助け出して黒夜叉を倒すまでは絶対死なねぇ。」
斗卿を睨みながら言った。
斗卿は、薄く笑いながら
「クフフッ・・・本当に出来るのですかねぇ。白夜叉はもう貴方達のことを忘れているのですよ?それでも連れて行くとは無謀なことなんですよ。白夜叉は、もう人斬り人形…」
ガキンッ!
「あいつと約束したんだよ…!仲間を護るってなぁ…!!」
それを見た斗卿は
「だから無駄って言っているのが分からないのですか?」
そういうと、斗卿は土方の前からいなくなった。
「なっ…!消えた!」
土方は周りを見渡していた。
その時山崎が
「副長!上です!」
「上?」
土方は山崎の言うとおり上を見ると
「なっ…!」
斗卿は、宙に浮いていた
「私の武器は剣だけじゃないのですよ。甘く見ないでください」
その時だった。
「土方さん!ワイヤーです!」
新八たちがやって来て突然新八が叫んだ。
それに、沖田が聞いた
「なんでそんなことがわかるのですかい?」
それに月詠が冷静に
「前にも同じようなことがあったのじゃ。その時宙に浮いている時に使われていたのがワイヤーだったのじゃ。」
月詠の言葉を聞いていた斗卿が
「お見事ですねぇ。でももう遅いですよ。」
斗卿は土方に向けてクナイを投げた。
しかし、速すぎて防ぐにも防げなかったが、月詠、全蔵、さっちゃんたちが投げたクナイで防ぎ、その間に土方もワイヤーを見つけ出しワイヤーの上に乗った。
それに、斗卿が
「悪くないですねぇ。でも防ぎきれてませんよ!」
その時、土方の頬や腕や足から血が流れた。
「なっ…!」
斗卿が薄く笑いながら
「さっきのクナイにワイヤーをつけておいたのですよ。」
そう
斗卿はクナイにワイヤーを付けておき、それを投げたのだった。
その時
「やぁああああ!!!」
山崎と沖田が斗卿の背後を狙い斬ろうとしたが
「そんな事したって無駄ですよ…!」
斗卿は山崎と沖田の顔を爪を立てながら手で掴んだ
山崎と沖田は苦しもがいていた
斗卿はニヤッと気味悪く笑いながら
「私を斬るなんざ百年早いわぁあ!」
そういうと、山崎と沖田を冷たい床に叩きつけた。
山崎と沖田の顔からは血が滴りうっすらと涙を流し気を失っていた。
「ザキ!総悟!」
土方は山崎と沖田を見てから瞳孔全開の目で斗卿を睨んだ
それをものともせずに斗卿が冷たく言い放った
「なんでしょうか?私は言ったことをしただけです。」
その時
髪は長くなり
死んだ目ではなく
とても冷たい目をし
白装束を着た
銀時が
殺気を出しながら
無表情でやって来た。