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田舎のおこめ
田舎のおこめ
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青春その後

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過ごした時間は短くても、それだけ濃密な時間だったってことだろうか。なんだかんだで、青春ポイントも二桁をキープした状態で卒業式を迎えそうなくらいだしね。
んで、そんな時期の高校生ってのは自由登校なわけだから、時間はもてあましまっくてるわけで、部屋の片づけをしてたわけですよ。俺は運よく大学の推薦に受かり(なぜかわからない。大体、なんで推薦受けれたんだ?)こんな時間があるのだが、一般受験の方々は今追い込みとかしてる時期なので、あんまりのんびりムードを演出していたら怒られそうじゃない?
だから外に遊びに出るのも自粛。
リュウシさんも大学は推薦。なんと、スポーツ推薦だ。いつかヤシロが言っていたように、3年になる少し前くらいから超能力でも使ったの?ってくらいにバスケがうまくなったらしい。ミッキーもびっくりだ。そんなリュウシさんの活躍で最後の年はインターハイでベスト8に入り、ミッキーと共に某有名大学の監督のお眼鏡にかなったのだとか。マジすごいねフルーツスト。万年一回戦とか言ってたのが嘘のようだ。
前川さんは進学せずに両親の居酒屋を継ぐらしい。成績いいのになーあの人。
んで、なんで進学しないか本人に聞いてみたら
 「リュウシも転校生もこの町から離れるのだろ?だから、私が居てあげるんだよ」
なんて、どこかからかいの入ったような口調で言っていた。それを聞いてちょっと焦りを浮かべていたら
 「それに、元々両親の後を継ぐつもりだったから、大学の学歴なんて不要だろ」
とも言っていた。リュウシさんと俺だけが原因じゃなくてちょっとホッとした。責任かんじちゃうよね自分のせいで進学しないとか言われたら。
 「藤和はどうするのかなぁ?」
なんてニヤニヤしながらも呟いていた。知らんがねスマキンの事は。
 そんな訳で俺、リュウシさん、前川さんは世間の受験生とは隔離され、ゆっくりとこの後の人生の準備をしているのだ。外出を自粛しているのは二人も同じで、卒業式の後まで外で遊ばないようにしよう、と約束しているからしばらく会ってないな。

っと、部屋の掃除もひと段落したので、リビングでエリオと二人でテレビ鑑賞に没頭していた。ようするに、暇していた。
エリオは最近田村商店の手伝いを減らしているらしい。半年程前くらいから接客だけでなく、仕入れから帳簿等も任されている。実質、経営者と言ってもいいくらいの仕事振りだ。
それが、今は俺が付いて行く時ぐらいしか仕事に行かない。週2~3日ってとこかな。
それに関しては田村さんはなにも言っていない。むしろ、納得している感じでさえいる。
 「今はそんな時期かね。まあ、お前がいなくてあの子が発注ミスでもしたら店が潰れちまうからね。」
ってな事をぼやいていた。まあ、田村さんがいいのなら俺がとやかく言う必要はないのだが、ちょっと申し訳ない。
 朝から掃除を張り切り、昼ごはんを食べてのんびりしている眠くもなってくるもんだ。いつもはうるさに女々さんも今はいない。
 「女々ちんにも自由登校をー 若さをー いや、女々たんはいつでもぴちぴち!」
っと喚き散らしながら仕事に出て行っている。なんでも、優秀なバイトが辞めたとかで人手が足りないんだと。んで、あの人なんの仕事してるんだろ?最後までわからなかったな。
そんな静かな藤和家のリビングのソファーでエリオと二人で寝ていた。エリオが俺の肩に頭を乗せて、俺はその水色の頭に頬を乗せている感じ。テレビの音が次第に遠くなっていく中でそんな体制になっていたようだ。どこのバカップルだー
二人の寝息が数十分程続いたとき、一つの電子音が俺の目を覚ました。
 「ぴろぴろりー」
俺の携帯の着信音だ。初期から全然変えてないので、歌とかは流れてこない。
 「イトコ、電話」
寝起きの目をこすりながら、うるさいといわんばかりの多少の不機嫌を織り交ぜながら報告。こいつ、テレビの音とか平気でも電子音は気に入らないようだ。元電波だから受信しちゃうのか?
 「ん」
エリオの返事をまねするかのように返事をし、机に放り投げてある携帯に目を落とす。
見なくても大体相手はわかってるんだけどね。リュウシさんか前川さんだ。
電話を開いて目に飛び込んで来た名前は「御船流子」。リュウシさんだ。
メールは毎日していたのだが電話は久しぶりだな。
 「はい、もしもし」
 『りゅうこやっちゅーに』
 「いや、もしもしと言っただけなんですが」
 『予知能力を信じて疑わないりゅうこさんは未来にやっちゅーにを使うのです』
いつぞやのやっちゅーに強化月間が終わったあと、その後遺症かやっちゅーにの頻度が格段に上がってしまったリュウシさん。大学でいじめられないだろうか。
 「それは素晴らしい能力をお持ちで。ところで、電話とか久しぶりだけどなんかあった?」
 『いやー、あるようなないようなりゅうこさん。にわ君の電話ボイスが久しぶりでドキ子さんに変身』
変身能力まで持ってた。
 『今お時間あるかっちゅーに?』
これはやっちゅーに病だな。疑問符が付いてなきゃ質問してるかどうかもわからん。
 「うん、さっきまで部屋の掃除してたけどもう終わってのんびりしてるとこ」
 『それはよかったですます。りゅうこさんも今とってもお時間おありまくなのですよ。』
 「そうでおありますか。お互い、入試が終わってるので楽な御身分ですますなー。」
もう丁寧語なのか日本語なのかよくわからないが、これで意思の疎通ができるのだから
この可愛らしい同級生は可愛い。ん?ここの日本語も意味わからん。
 『そ、そこでりゅうこさんから素敵な提案が!が!』
 「ほうほう。どんな素敵な提案がリュウシさんのお口から?」
 『りゅうこやっちゅーには、今お時間がありまくるのですが、お外で遊ぶのは気が引けまくるような感じがするんですよー』
 「おー、なるほど。それでそれで?」
 『おうちで遊びたいのですが、両親もいないし今一人でなにをしていいのかわからんぱさらん』
 「手持ちぶたさですね」
 『そうそう、手持ちぶたさん。そこでりゅうこさんは遊び相手がほしいなー、なんて思いけせり』
なんか古文らしき文面まで混ざってきた。
 「あー、なるほどなるほど。うちではあんまり一人にならないからそうゆう感覚にはならなかったなー。大体エリオがいるし」
 『むむ、そこは風紀委員りゅうこさん的にはイエローカードなんですが、とりあえず今は保留で・・・そこで、提案というのがですね!!』
なにやらリュウシさんから覚悟めいたものを感じる・・・ごく
 「提案というのが!?」
 『にわ君、ちょっくらりゅうこさんのお部屋まで遠征してみなさらない↑』
なんか語尾が上ずってる。舌噛んだのかな?ってか、あれ?今俺部屋に呼ばれた?
リュウシさんの?
 「部屋?お部屋?リュウシさんの?今お家でお一人と噂の?」
いきなりの素敵すぎる提案に、言わなきゃいいことまで口走った気がする。
 『そ、そうそう!お暇なのよりゅうこさん!だから来るますか!?』
こんな素敵な提案断る18歳がこの世にいるだろうか?こんなもの、返事をするまでもな
く決まっている。行く。むしろ、今断られても行く。突撃する。
作品名:青春その後 作家名:田舎のおこめ