FAアニメ派生集
第三一話<金色の絆>
きれいになった。そう思った。
大切な約束をしてくれた君を見て、考えたのはそんなことだった。
520センズ。
それは君と私を繋ぐ、新たな絆。
車を降りる随分成長したその背中を見て、思わず呼びかけた。
子どもっていうのは本当に怖い。
すこし目を離すと、すぐに大人になってしまう。
君が振り向く。金色の髪の毛が舞う。
いつでも真っ直ぐに射抜いてくる瞳。
相変わらず君は無意識に私を縛り付ける。その瞳で。
ああ、こんなときでなければ
君をこの腕の中に閉じ込めて
その金糸の髪を解いて首筋に唇を落として
私のことしか見えないようにしてやるのに。
君は私を縛っているのに、
私は君を縛ることができないなんて
不公平な話じゃないか?
けれど彼があまりにも綺麗な顔で微笑むから、
すべて許してしまった。
走っていけ、鋼の。
目指す道は違えども、私はいつでも此処にいて君を見ている。
此処にいて、高みを目指して
金色の絆を胸に、進んでいくことを、誓うよ。
誰よりも強く。