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こらぼでほすと 漢方薬2

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 これは、まずいと看護士が、連絡を取るのだが、相手が出ない。これでは、と、シンがトダカに連絡して、直接、沙・猪家夫夫を叩き起こしに行ってくれるように連絡した。そんなこんなの一時間だった。
 ようやく、連絡が取れたので、ほっとして、シンとレイは管制室の配置に着く。これといって、ハイネからも連絡がないから、上手く動いているのだろう。
「失敗した。あまりにも、ねーさんが普通で気付かなかった。」
「俺も、だ。シン。いつもより顔色がいいから、元気になったと思ってた。」
 ふたりして、ちと反省した。あの場合、あれが正しかったのだが、相手が具合の悪い人だったのが間違いだ。たが、いつもみたいに顔色が青くなかったし、元気そうではあったので、そのまま、ニールの指示を鵜呑みにしてしまった。


 エターナル降下完了の報告は、午後前に届いた。キラとアスランは、そのまま、ファクトリーの応援に向かうとのことで、こちらには戻らない。エターナルの整備が終了したら、虎とダコスタ、アイシャは戻って来るが、これも一日仕事になるので、明日以降になるだろう。それらの報告を受けて、さらに、キラからの指示が飛ぶ。どこかで取り零していた情報がないか、検索しろ、というものだ。
「こっちから、検索エンジンは送るから、それで全走査をかけてくれる? 何かヒットしたら、それをチェックして、ヤバイのは、こちらに送って。」
「了解っすっっ、キラさん。」
「それと、ママにね、拳骨三個食らわせて。」
「はい? 」
「徹夜したでしょ? ほんと、そういうのダメなんだからっっ。ああ、ハイネが許可したらしいから、そっちは蹴り三発だよ、シン。」
 ぷんすか、キラは怒っている。ニールにラボの手伝いをさせたのが、お怒りの原因だ。だが、なぜ、三発なのか、が不明なので、シンが、そこをツッコミする。
「なんで、三発? 」
「僕とアスランとラクスが心配したから。いいね? きっちり、お見舞いしておいてね。」
「うちのねーさん、今、ダウンしてるんでよくなってからでもいいっすか?」
「それなら、僕が帰ってから拳骨するから放置でいい。ラクスは、このまま戻るから、ラクスの分はいいかも? 」
「わかりました。そういうことで、ハイネに上乗せします。」
「うん、それでいいよ。じゃ、よろしくね。」
 ハイネに叱責が飛ぶのが目に見えるようだ。なぜ、ニールに手伝わせた、という点が、ものすごく問題だったらしい。シンとレイも、顔を合わせて苦笑する。本当に、緊急だったから、なのだが、それすら言い訳になってしまうのかもしれない。
「そりゃそうだよな。刹那が、こういう仕事はさせたくないって言ってるんだし、俺らだって、普段は、そう思ってるもんな。」
「できないことはなかったんだろうけど、ものすごく助かったのも事実だ。」
 何も出来ない人なら、追い出しやすかったはずだ。だが、元マイスターは、こういうことに長けていて、焦らず冷静に対処してくれた。シンとレイが作業に集中できたのも、そのお陰だ。
「まだまだなんだな? 俺たち。」
「そうだな。あの人を部屋に追い返すぐらいの気構えは必要だということだ。」
「てか、ねーさんもすごいよな? 何年も現役退いてるのに、全然、そんな感じじゃなかった。」
「経験がモノを言うんだろう。俺たちのように、命令を実行するだけじゃ、テロリストはやれないんだろうな。」
 しみじみと経験の差というのを突きつけられた気分だ。ラボでの作業も、ほぼ誰かからの指示でやることが多い。どうしても、先手先手と考えるだけの余裕は、シンやレイにはない。それが身に着くのは、やはり年数が必要だ。
「もう、絶対にやらせねぇー。レイ、俺ら、もっとできるよな? 」
「ああ、俺も、あの人を追い返すぞ。今度からはやらせない。」
 真面目に力拳を作って宣言していたら、すぐに、ジェットヘリが到着して、着陸許可を求めてくる。とーさんが来た、と、シンが許可を出したら、「ちゃんと正しい用語で許可しなさい。」 と、叱られる羽目に陥った。


 ニールの治療は、沙・猪家夫夫に任せて、トダカとアマギは、管制室にやってきた。トダカは、生体認証の登録がしてあるから、どこでも出入り自由だ。アマギのほうは、トダカについていけば、問題はない。
「とーさんっっ、ねーさんは? 」
 入室の音に、シンが反応する。検索エンジンを稼動させているが、今のところ、ヒットはない。
「まだ、八戒さんが診察中だ。」
 ようやく、状態の診断を始めたばかりだ。たぶん、電池切れだろうとは、八戒も言っていたが、確定ではない。治療が終ってから、話は聞くつもりだ。
「終ったんじゃなかったのかい? シン。」
「再チェック中なんだ。」
「刹那君は? 」
「オーヴのファクトリーへエクシアと一緒に行った。うちでは修理できない。」
「ニールに、権限を渡したのはハイネだね? 」
 ラボの管理権限を持っていたのは、ハイネだ。本来なら勝手に、ニールが采配を振るうことはできない。そういう取り決めは、『吉祥富貴』でも決められている。その場で、その権限の地位の一番高いものが、指示を出すことになっているのだ。そうでないと指揮系統が、すぐに決められないということになる。
「申し訳ありません、トダカさん。ママを止められなかったのは、俺たちです。・・・・ハイネから、権限の譲渡は、俺とシンが受けています。ハイネが、エクシアの走行経路の遡及に出た段階で預かったのですが、作業に集中して、俺たちは、何も指示できていませんでしたから、見かねて、ママが・・・ですから、俺とシンの責任です。」
 ハイネに責任追及が行くのは阻止する。実のところ、権限譲渡なんてやってない。それどころではなかったからだ。時間との勝負だったから、誰もができることを担当していたが正しい。全体を見渡せる位置にいたのが、ニールだったから、シンとレイが作業に集中できるように、他はやってくれていたのだ。シンも同じように、トダカに顔を向ける。ダウンさせたのは、自分たちの責任だという顔だ。
 それを見て、トダカは、ぷっと吹き出した。
「わかってるよ、おまえたちじゃあ、あの子は止められない。何も、責任追及をするつもりじゃなかったんだ。・・・・今回ばかりはしょうがない。キラ様がいなかったし、本来のラボの責任者が、ふたりとも、留守だったんだ。現場が混乱するのもわかるし、刹那君のことだから、うちの娘さんが動きたくなるのも理解している。ただね。シン、レイ、今度からは、ニールが動く前に、私にも連絡をくれないか? キラ様にも申し上げるつもりだが、ニールを、こんなところで働かせるくらいなら、まずは私が出張ってくる。」
 トダカは現役引退組ではあるが、つい先頃まで現役だったし、何より、現役真っ最中のトダカーズラブの力が使える。緊急事態なら、それを使って、こちらの作業の手伝いは可能になる。
「それに、うちの娘さんも緊急事態に気を取られていたから、他の事はしてないんだが・・・組織の情報も拾えるんだよ。この状況ならね。」
作品名:こらぼでほすと 漢方薬2 作家名:篠義