帝人受けまとめ
日々帝 デート
散歩の途中、突然の豪雨が降り始めた。
日々也に手を引かれるまま、帝人は木の下で雨脚が遠ざかるのを待つ。
「あ、あの日々也さん・・・」
「はい?どうなさいましたか、帝人」
「こ、これは流石に・・・その・・・恥ずかしいといいますか」
「ですが、こうしないと帝人の身体が濡れて冷えてしまいます。
申し訳ありませんが、どうか辛抱してください」
帝人は日々也の腕の中、マントで身体を覆いながら、2人は木の下で立ちつくしていた。
日々也が困った顔をしながら、こてりと小首を傾げてくる。
帝人は眉を八の字にしながら、小さく頷いた。
「あぅ・・・あ、は・・・い」
トクトクと聞こえる日々也の心臓。とても規則正しく、自分の心臓が早鐘のようになっていることが憎たらしい。
「これはどうせ通り雨でしょう。直に止むはず」
「はい、日々也さん・・・」
ぎゅっと日々也の服をつかみ、そっと帝人は日々也に視線を向けた。
すると、帝人を見つめていた日々也と視線が絡み合う。
顔が途端朱に染まり、すぐに視線を離してしまった。
「帝人、風邪ですか?」
「い、いえ・・・違います、よ」
「そうですか・・・この雨で貴女が風邪を引いたりしたら・・・きっと私はこの雨を恨むでしょう」
本当に日々也は雨を忌々しそうに睨み付け、そっと帝人を抱き寄せた。
帝人の心臓が一様に大きく跳ねる。
「もう少し、こうした方が温かい」
(どうか、この心臓の高鳴りがこの人に伝わりませんように・・・!)
帝人は視線を彷徨わせながら、日々也の腕の中雨が早く通り過ぎてくれるのを祈った。