帝人受けまとめ
日々帝 デート2
「お手をどうぞ、姫」
手を恭しく差し出され、帝人は頬を染めてその手を取る。
「・・・日々也さん、姫は止めてください・・・僕、男です」
俯きながら日々也に視線を送ると、日々也は目を細めて凪いだ笑みを浮かべている。
「申し訳ありません、ですが、この世界の誰よりも、貴方が美しい」
「っ、あ、ありがとうございます・・・」
とうとう帝人は耳までを赤く染めて、自分の足を視界に入れるほど俯いてしまう。
そんな帝人に日々也は笑みを送ると、掴んだ手を引きながら手入れされた庭園を歩く。
白い薔薇が美しく咲き乱れる日々也の庭は、とても澄んだ空気がした。
「ここも、薔薇が満開になりましたね。帝人が来た当初はまだ蕾さえなかったのに」
「そ、そうですね・・・」
「薔薇に刺があるのは当たり前ですが、棘をなくすよう品種改良して漸く咲いた白薔薇が咲き乱れる様は圧巻と言いますか」
「そうですね・・・」
「白薔薇は貴方によく似合います」
「え、そ、そうですか?」
「はい、・・・ほら」
日々也はそう言いながら、近くにあった白薔薇を一本手折ってしまった。
ぱきっと折れた音に帝人は漸く顔を上げ、目を見開く。
「日々也さん!?」
「薔薇も、こうしてやった方がきっと喜ぶでしょう」
日々也は笑うと、先程手折った白薔薇をそっと帝人の髪に挿す。
「この薔薇の刺を無くしたのは貴方のため、と言ったら貴方は笑いますか?」
「え?」
「貴方がこの城に来てくれる前から、私は貴方を渇望していた。いつか、貴方がこの城を訪れてくれることを願って。
そして、この薔薇を貴方の髪に挿せる日が来ることを祈って」
「日々也さん・・・」
日々也は帝人の頬を一撫ですると、自然にそっとその顔を持ち上げ、帝人の唇にキスを落とす。
「帝人、この城に来てくれてありがとう」
「日々也・・・さ・・・ん」