君と始める20日間
アリスの手は止まらない。ボタンを全部外し終えた彼女はシャツを適当に投げ捨てた。ブラジャーのホックを外そうとしたところで慌ててアルフレッドが手首を掴んで止める。その細さにひやひやしながら癇癪を起こして暴れるアリスを押さえつけていると、ぐっと顔が近づいてきて思わず硬まった。それをいいことにアリスはちゅ、とリップ音を響かせてアルフレッドの瞼にキスを落とす。そのまま米神にも同じようにキスをすると、次はねっとりと耳に舌を這わせてきた。アルフレッドの背筋がぞくりと震える。
(・・・っ!この・・・!!)
ぴちゃぴちゃと耳朶を犯される感覚に息を詰めると同時に、淀みないその動きに腹の中にどすぐろい靄が渦巻くのがわかった。これは嫉妬だ、それも随分お門違いな。わかっていても、どうしても湧き上がる衝動を押し止めることはできなかった。アルフレッドは片手でアリスの両手首を固定すると、ギリギリ隠れていたブラジャーを乱暴に取り払う。胸元にキスを落としながらゆっくりと薄い腹を撫でると、急にアリスは大人しくなった。訝しんだアルフレッドが顔を上げると、この状況で健やかに眠りに落ちたアリスのあどけない表情。
「ジーザス!!!嘘だろう!?」
だからお約束すぎるよ!君!!
そのままばったりと倒れてシーツを握りしめるアルフレッドの声は静かな寝室に溶けていった。