二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

君と始める20日間

INDEX|5ページ/6ページ|

次のページ前のページ
 

4日目




「だーかーらー!やってないっつってんでしょ!!」
「おいおい、あの状況で何もないなんてあの坊ちゃんほんとに男か?酔っぱらってて覚えてないだけじゃないの?」
「あんたと一緒にするな!生娘じゃあるまいし、やったかやってないかぐらいわかるわよ」
「じゃあなんで嘘なんかついたんだよ。何もなかったんなら『酔ってて覚えてない』でいいじゃないか」
アリスはぐっと言葉につまった。正論だ。でも昨日のアルフレッドには有無をいわせない何かがあった。見慣れない仕草に動揺してなりゆきで是と答えてしまった感が否めない。
「あ゙ー・・・」
アリスはがっくりと肩をおとす。どちらにしろ非があるのは彼女の方だった。
「ま、なるようになるんじゃないの」
あくまでフランシスは他人事だった。その能天気な発言にいらっとしたのでぷらぷらと揺れていた椅子の足を思いっきり蹴ってやった。



「菊!」
入学早々、お馴染みになってしまった勝達な声が響く。実は菊は諸々の事情で中学には通っておらず、同年代の友人とも呼べる相手は片手で足りる程少なかった。そんな中、新しく知り合ったアルフレッド・F・ジョーンズという青年は菊の友人の中では珍しいタイプの人間だった。アルフレッドは息を弾ませて菊に駆け寄ると、やや強引に制服を掴んだ。そのまま引きずるように引っ張りながら、楽しそうに本日の昼食代を賭けたゲームの概要を話し出した。
「3on3のワンコート制、チームは自由だから君と俺とジェームズでちょうど3人さ!」
「はあ・・・ちなみに競技は?」
アルフレッドは輝く笑顔で告げた。
「バスケットボールさ!」

有無を言わさず体育館まで連行された菊は、先に中でボール遊びをしていた4人の青年を見て思わず踵を返して逃走しそうになった。素晴らしい反射神経を駆使して菊の逃亡を阻止してくれたアルフレッドはさわやかに菊の無言の主張を黙殺した。
「やあ、菊くんじゃないか。奇遇だね」
「・・・ええ、お久しぶりですね、ブラギンスキさん」
「やだなあ、イヴァンって呼んでよ。君と僕の仲だろう?」
「ふふふ・・・ええ、まあ、そうですね。失礼致しました」
室内なのに何故か極寒の吹雪が吹き荒れた。
冒頭で述べた通り、菊には同年代の友人が少なかった。中で先にボール遊びをしていた4人、正確にはその中の1人は友人というよりもただの知人だったが、どちらかというとあまりお近づきになりたくない部類の知人だった。入り口付近にいた菊を目ざとく見つけた彼は、瞬時に胡散臭い笑みと共に退路を塞ぐ。後ろの方でこちらを伺っていた同じクラスのジェームズ君が凍りつくほど穏やかな笑みで応戦しながら菊は考える。
「アルフレッドさん。そういえば私、担任の先生に呼ばれていたような───」
「問題ないぞ!」
何が問題ないのか。
「いえ、申し訳ありませんが今度の三者面談のことでお伝えしておきたいこともありまして、」
「それはこの前俺が同じこと言いに行った時に一緒に言っておいたぞ!」
「ですがやはり私からも直接頼んでおいた方が・・・」
「さあ!ゲームを始めよう」
アルフレッド・F・ジョーンズは菊の友人の中では非常に珍しいタイプの人間だった。

作品名:君と始める20日間 作家名:名無し