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353訓~360訓ネタバレ銀桂小話集

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可愛いのは罪



万事屋三人と桂はレストランを出て、桂が潜伏先として借りている長屋に行った。
桂が押し入れの襖を開けると、そこには大量のプラカードがあった。
これまでエリザベスが使ったプラカードが保存されているのだ。
その中の一枚には「いいえ誰でも」と書かれている。

回想シーン。
テレビから「こだまでしょうか」と問いかける声が聞こえる。
エリザベスはテレビのまえに座って例のプラカードを掲げている。
その隣に胸のまえで腕を組んだ格好で座っている桂は眼を閉じたまま「AC〜〜〜〜〜」と言った……。

「か、かわいい」
つい銀時はつぶやいた。
小声だった。
だが、新八と神楽は聞き逃さなかった。
「銀さん、今、可愛いって言いましたよね!?」
「私も聞いたアル! 銀ちゃん、今の回想シーン、かわいかったアルか!?」
「……えーっと、あーっと、ホラ、バカな子ほどって言うだろ?」
「ウン、旅をさせろっていうアルな!」
「違うよ、神楽ちゃん。バカな子ほど可愛い、だよ」
そんな三人の話は耳に入らない様子で、桂は顔を左の手のひらで覆い隠してエリザベスの不在を悲しんでいる。
というわけで、三人はエリザベスの家出の理由を探すためにプラカードを見ていく。
銀時の手に持ったプラカードには「ありがとう」と書かれている。
その次のプラカードには「さよなら」と書かれている。
コレだと三人は思った。
だが。

ふたたび回想シーン。
テレビから「魔法のことばでたのし〜仲間がァ」という声が聞こえてくる。
直後。
エリザベスが「ポポポポーン」と書かれたプラカードを掲げ、その隣で桂が眼を見開いて「ポポポポーン」と声を張りあげた……。

回想シーンが終わって、桂はこのCMの話をする。
その背景には、そのCMの仲間っぽくなった桂とエリザベスのイラストがあった。

「はい!」
銀時は真面目な表情で、手をあげた。
「なんですか、銀さん」
「そのバージョンのCM、録画して、俺にくれ」
「……桂さんが可愛くてしかたないんですね」
「銀ちゃん、重傷アルな」