353訓~360訓ネタバレ銀桂小話集
なんだかんだ言ったって
桂の潜伏先の家の部屋まで行ったあと、銀時は新八に話しかけられた。
「既視感ってヤツでしょうか」
「ああ?」
「まえにもこんなことがあった気がします」
「なんだ、新八、熱でもあんのか」
「違います。そうじゃなくて、桂さんが頼ってきたときに、銀さん、冷たく突き放したくせに、結局、いつのまにか引き受けていて、面倒に巻きこまれて、ってことですよ」
エリザベスが捕まったときには助けに行きましたよね。でも、あれは偽物のエリザベスでしたけど。
そう新八は付け足した。
もちろん銀時には心当たりがあった。
しかし。
「そんな記憶はねーな」
とぼけた。
新八は少し笑う。
「なんだかんだ言ったって、銀さんは桂さんに甘いですね」
そう告げると、銀時に反論する機会を与えない速さで、プラカードのほうに行った。
銀時はプラカードに真剣な眼差しを向けている桂を見た。
そして、眼を細める。
なんだかんだ言ったって、愛しちゃってるのさ。
作品名:353訓~360訓ネタバレ銀桂小話集 作家名:hujio