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【Secretシリーズ 2】Truth -真実-

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あの門をくぐると、きっともう自分は帰ってこれない。
分かっている。
そんなことはどうだっていい。

ただ、ドラコが幸せになってくれれば、それだけでよかった。

「ハリー、君がとても頑固なのは分かっている。ここでもし僕が帰らないと言っても、君は無理にでも、屋敷につれて帰ろうとするだろう。君の融通の利かない責任感から……。自分が死ぬことすら覚悟して。……バカたよ、ハリー。お前は本当に大バカだ」
ドラコは泣きながら、苦笑していた。

「好きでも何でもない僕のために、そんなこと思うなんて――。君はなんて大バカなんだ。……もういいからな、ハリー。お前を、開放してやるからな。僕はもう、いいから――――。僕には未来も何もいらないんだ。君にすべてを与えるよ…………」
そう言うと、ドラコは短くてとても古い呪文を口にした。

ハリーはそんな呪文など知らなかった。
だが次の瞬間、ドラコが真っ青な顔で地面に崩れ落ちたのを見て、全てを理解した。
これは自分で自分を消滅させるための呪文だ。

「ドラコ!!!」
ハリーは必死ですがりついた。
「なぜそんなことをするんだ。この僕のために!」
ハリーはたまらず、相手を自分の腕の中に抱きしめる。

ドラコは薄く目を開いた。
「本当は最初から好きだった。君とあの列車で出合った瞬間から好きだったんだ。だから手を差し出したんだ。僕は素直じゃないし、相手には命令しかしたことがなかった。だから、あんな口調でしか言えなかった。あのときからやり直せたらな──、君と。人生に『もしも』があるんだったら、もう一度やり直したかった」
それだけ呟いただけで、もうドラコの息は短くなっている。


――――――時間がない。
     死がもうそこまで迫っていた……