ろぐぐぐ!! そのさん
幸せな臨帝を書きたかった、ただそれだけだキリッ
臨也さんが人間くさくてもいいじゃない、臨也さんだって人間だもの。
俺は特別大事に育てられたわけでも、かといって見放されていたわけでもない。
両親は仕事柄家を空けることが多かったが、別に気にすることはなかった。
敢えて言うならば妹たちの世話が面倒だったって事ぐらいで。
でも家に帰っても誰もいないことや、「ただいま」や「おかえり」なんて挨拶とは無縁だったことを寂しく思う日もあったことは、情けないことに事実だったりするんだ。
***
「臨也さん、おかえりなさい」
事務所に帰ってくると、耳に馴染んだ声が鼓膜を震わせる。
顔を上げた先には、料理の途中なのか帝人がエプロンをつけた格好で立っている。
しかし何も言わない臨也を不思議に思ったのか、「臨也さん?」と首を傾げた。
「え、あ、ごめん」
「?」
「…ただいま、帝人君」
ふと酷く優しい笑みで溢せば、帝人は一度きょとん、とした後もう一度「おかえりなさい」とふにゃりと笑った。
今は、当たり前のように「おかえり」と言ってくれる人がいる。
こんな俺の帰りを待っててくれる人がいる。
それだけで、俺は。
今までの人生に不釣合いなくらい、幸せになれるんだ。
作品名:ろぐぐぐ!! そのさん 作家名:朱紅(氷刹)