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傷口に口付けを…

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臨也が次に目を覚ましたときにまず目に入って来たのは白い天井。
頭が酷く痛んだがゆっくりと体を起こすと腕には点滴の針が刺さっていて、いつも着ている黒い服とは真逆の白い病人用の服を着ていた。
窓の外はもう、日が沈みかけていた。
その時部屋のドアがあき、新羅が入って来た。
一瞬にして臨也は寝ぼけた頭が一気に覚めるのを感じた。
「新羅、帝人君は!?大丈夫なの!?」
身を乗り出しながら聞いたら、新羅は軽く笑いながらその質問に答えた。
「今の所、一応順調だよ。」
臨也はその言葉に安心したのもつかの間。
新羅は声のトーンを下げ、安心した臨也に一言。
「だけど…まだ一度も目を覚ましていないんだよ。」
一瞬、頭が真っ白になり帝人が切られた時の映像がフラッシュバックした。
軽い目眩のようなものを感じながらも詳しいことを新羅から聞くことにした。

作品名:傷口に口付けを… 作家名:悠久