【亜種】ある雨の日、猫を拾った。
夜、帰宅したユウジに、サメジマに言われたことを伝えると、
「あー・・・・・・まあ、それは、また後で考える」
「分かった。それから、この書類、明日までに全部書け」
ばさっと、封筒をテーブルに置く。
「ちょっ!マジっすか!!またあの手続きを一からやれと!?」
「やれよ。お前が拾ってきたんだろうが」
「そーだけどさー・・・・・・明日までとか、アカイトさんマジ鬼畜」
「うるせーな。それより、前の持ち主は確認取れたのかよ」
「取れたよー。まあ、あっさりしたもんだわ。いいねえ、金持ちは余裕があって。俺だったら、そんなぽいぽいアンドロイド捨てられんわ」
「不法投棄だけどな」
「まあ、その辺をつついたから、承諾したってのもあるけどさ。でも、そんなバグがあるんなら、返却すればいいのにな」
「返却も、手続きが煩雑だからな。廃棄には金がかかるし」
「マジ殿様商売だよなー。アフターサービスもなってねーし」
ぶつぶつ言っているユウジは放っておいて、アカイトはいろはの隣に座る。
「疲れたか?」
「いいえ」
「明日から、家のことも少しずつやってもらうけど。まあ、気楽にな」
「はい」
「アカイトさーん、俺にも優しくしてー」
「うぜえ」
作品名:【亜種】ある雨の日、猫を拾った。 作家名:シャオ