二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

【亜種】ある雨の日、猫を拾った。

INDEX|8ページ/13ページ|

次のページ前のページ
 


ある日、リビングでドラマの再放送を見ていたいろはが、アカイトを呼ぶ。

「どうした?」
「この人は、何故怒っているのでしょう?」

いろはが示したのは、不機嫌になった女を、男がなだめているところだった。

「あ・・・・・・あー。見てないから分からん。ごめんな」
「そうですか」
「でも、怒ってるのは分かるんだな」

アカイトの言葉に、いろはは少し考えてから、

「男性の方が、「そんなに怒るなよ」と言いました」
「ああ、そうか」
「やはり、私は壊れているのでしょうか」

そう言って、目を伏せる。

「マスターにもアカイトさんにも、ご迷惑をお掛けしているのでしょう。初期化すれば、そのような事もなくなるのでしょうか」
「そんなこと」

アカイトは言いかけて、いろはが「落ち込んでいる」のだと、思い当たった。

「いろは、こっちに来い」
「はい」

いろはの腕を掴んで立たせると、窓際に連れてくる。
ちょうど夕焼けが空を染め、外は鮮やかなオレンジ色に包まれていた。

「この景色を見て、どう思う?」

いろはは、少し考えてから、

「綺麗だと、思います」

と答える。

「そうだな。俺もそうだ」

アカイトは、いろはの頭に手を置いて、

「大丈夫だよ。少しずつでも、感じられるようになってるじゃないか。もっと自信を持てよ」
「・・・・・・はい。ありがとうございます」