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永遠に失われしもの 第15章

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「い・・・今な・・何と?」


 教皇は後ずさりして、今にも
 腰が抜けそうな格好でよろめき、
 背にした執務机に寄りかかった。

 目の前に立つのは、ラウル刑事である。
 彼は、正式な教皇への謁見手続きもせず、
 強引に葬儀屋の謁見に便乗して、
 教皇執務室にのり込んだのだ。


「申し上げたとおりです、睨下。
 エット−レ卿殺害にはロッジ、すなわち
 イルミナティが関与している可能性が、
 高いのです」


 教皇は、冷や汗がとめどもなく、
 体中から噴き出し始めるのを感じた。
 彼が、どう対応するか考えている最中に、
 ラウルは更なる一撃を浴びせた。


「そして、エット−レ卿から盗まれた物・・
 それも、もしかすると、
 もうロッジの手中かもしれません」


 ラウルにとっては、何が盗まれたのかすら
 定かではないのだが、
 とにかく情報を得るためには、
 揺さぶりをかけるしかないと考えていた。

 執務室の端で、名目に使われた葬儀屋が
 へらへらと笑っている。



「ではもう彼らが・・なんということだ!」


「捜査にご協力願えませんか?睨下。

 ロッジと法王庁と、エット−レ卿、
 そしてオレイニク公爵家での怪死と
 彼の名をかたった者とを結ぶ線
 についてお話ください。」


「オレイニク公爵家の偽者だと???
 ああ・・では・・あれも既に」


「公爵家では、不審死が相次いでいます。
 何かご存知のようですね?
 お話ください、全て」


 しばらく沈黙が続いた後で、
 ついに観念したかのように、
 教皇は、重い口を開き、低い声で言った。


「分かりました。卿の補佐官から、
 全て話させましょう」



 すぐに補佐官が呼ばれた。ラウル刑事は、
 獲物に喰らいついた猟犬のような
 目をして、質問をし始める。



「まずオレイニク公爵家と法王庁には
 どのような関連があるのですか?」



 補佐官は、最初こそためらう素振りを
 みせたが、教皇が再度指示したあとは、
 まるで、報告書を読み上げるかのように、
 滑らかに語り始めた。



「彼らは棺人とよばれた一族で、
 聖なる遺物の回収と封印を、
 代々司っているのです。
 
 棺人には三家系ありました。

 各家系には、その証明として、
 さらに回収と封印に必要な道具として、
 金の鍵、銀の鍵、銅の鍵が渡されました。
 
 しかし内一つは、早々に断絶して以降、
 その所有する金の鍵は、法王庁で、
 死番についた枢機卿が管理する
 ことになりました」


 ・・そうか・・
 それがエット−レ卿の殺害理由で、
 紛失したものは・・その金の鍵か・・


「銀の鍵は、オレイニク公爵家に。

 銅の鍵を預かる家系は、百八十年前頃に
 断絶しておりそれ以来、不明なのです」
 

 ・・オレイニク公爵家との線も繋がった。
 そして、恐らくもう・・銀の鍵も・・


「では、ロッジとの関連は?」


「ご承知の通り、ヴァチカンと
 イルミナティは彼らの創設以来、
 敵対関係にあります。

 法王庁は、十七回彼らに破門宣告を出し、
 二百回以上の警告を出しているのです。

 それは一重に、彼らの教義が・・・
 悪魔に神格を与える・・すなわち、
 悪魔を信奉するからなのです」


「なるほど・・彼らがその鍵を使って、
 『聖なる遺物』を破壊するために、
 一連の事件を起こしたわけですね」