さくべーですよ!
なっ、な、なにを聞いたのか、自分は!?
なにを言ったのか、この女は!?
そう自分に問いかける。
佐隈はベルゼブブのことが大好きだと言った。
それが答えだ。
聞き間違いではない。
聞き間違いではないからこそ。
ベルゼブブは激しく動揺する。
だが。
佐隈はさっきの台詞を言ったきり、黙っている。動かない。
どうやら眠ってしまったようだ。
それを感じ取り、ベルゼブブの心臓の揺れの激しさがおさまってくる。
佐隈の言った大好きというのは、恋愛感情からくるものではないのだろう。
なんだか、がっかりだ。
ひどく動揺してしまった自分を情けなくも感じる。
眠っている佐隈に抱かれながら、ベルゼブブは少しため息をついた。