座敷童子の静雄君 1
少女が慌てて、ヒノキ造りの棚に手を伸ばし、小さな丸い手鏡を取ってくれた。
「……んなっ……!!」
覗き込めば、映っていたのはどう贔屓目に多く見ても、5つか6つの幼児で。
美少女が巨人じゃなく自分が縮んでいたなんて、理解した段階でとうとう自分のひ弱な神経のキャパシティは限界に到達したらしい。
くらりと貧血を起こして意識が遠くなっていく。
「……お婆ちゃん、お爺ちゃん、大変!! 座敷童子さまが、座敷童子さまがぁぁぁぁぁぁぁ!!……」
気絶する瞬間、すごく不穏な台詞が聞こえた。
作品名:座敷童子の静雄君 1 作家名:みかる