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【Secretシリーズ 6】 Love&Peace

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「ちゃんと苦い薬を飲んだあとは、チョコを食べた?」
鼻先をチョンと舐める。

「そんな子どもじみたこと、僕はしない」
「嘘ばかり。キミが隠れて、未だにハニーデュークスのお菓子を隠れて食べているのを、僕が知らないと思うの?」
途端にドラコは少し顔を赤らめた。

「あれは、たまたまこの部屋にあったら、深夜までデーター分析をしていて小腹が空いたときに食べているだけだ。カゴに山盛りお菓子が届くなんて、お前は自分の熱心なファンに感謝しろよ」
「まさか!あれは僕がお店に頼んで、この部屋に送ってもらっているんだよ。僕がいないときに、キミが寂しがらないようにね……」
ドラコの顔がますます赤くなり、キッと相手をにらみつけた。

「あれほど女子ども扱いするなと言っているだろ!!」
ハリーはやわらかくて、おいしそうな唇をやさしく噛む。
「そんなこと思ってもいないよ。僕のために食べてよ。甘いものを食べて。もっといっぱい食べて、もっともっと、キミの甘いからだをもっと甘くしてよ。胸焼けがしそうなほど甘ったるいドラコが、僕は大好きなんだ……」
ドラコの手をとり愛おしそうに、そこにチュッとキスを落とした。

「全部が好き。キミの全部が大好きなんだ」
もう何百回と聞かされている愛の言葉。
ハリーは眉をちょっと寄せて、媚を含んだような意味深な視線を相手に送る。
ドラコはとても嫌な予感がした。

(……まさか帰ってきたばかりで、しかも真夜中なのに、このままなし崩し的に、コトを始められたら堪ったもんじゃない!)
ドラコは身の危険を感じて素早く相手の腕から逃れようと、身を翻そうとする。
しかしいつもドラコは残念なことに一歩だけ、ハリーの動きには叶わない。

――いつもだ。

力強い腕が逃れようとするドラコをたやすく抱き寄せると、その唇に本格的に舌を這わせてくる。
もうそこには挨拶程度の軽いついばむようなキスではなく、深く相手を貪っていくようなディープなものになり、ドラコを余計に焦らせた。

「んーっ!んんっー!!!」
ドラコは容赦なく覆いかぶさってきた相手の背中を拳でバンバンと叩きまくる。
「ちょっ、ちょっと、ドラコ。痛いってば!」
「だったら、放せよっ!」
少しの息継ぎのあいだに、切れ切れにドラコは文句を言う。

「いやだ。だって離れ離れで2週間だよ!こんなにも長いあいだキミと離れて過ごしていたんだから、我慢できる訳ないじゃないか!ドラコの顔が見れずに寂しかった。本当に寂しくて死にそうだったんだから……」
大げさな恥ずかしいセリフを真面目な顔で言って、ハリーはドラコに抱きつき、その平らな胸に頬ずりした。

「くすぐったいから、よせっ!」
すがり付いてくる相手を引き離そうとしたけれど、力では敵うはずもなくびくともしない。
ドラコは必死で考え、逆にハリーの股間に手を伸ばし、もう節操なく盛り上がっているものを撫でた。
「ああ……、んっ!ドラコってば今夜は積極的だね」
ハリーが気持ちよさそうな声で身をくねらすと、すかさず緩んだ腕の中から、するりと抜け出る。

急いで柔らかな布団の中にもぐりこみ、全身をすっぽりと覆い隠した。
それを変な意味に受け取ったのか、となりの勘違い野郎が、やに下がった顔で笑った。

「……なになに、ドラコ?照れているの?恥ずかしいの?こういうこと久しぶりだから、顔を隠すほど恥ずかしいのかな?ねえ、僕も入れてよ」
ヘラヘラ相好を崩して、きつく包まったドラコの布団の中にいっしょに潜り込もうとする。

「入ってくるなっ!」
ドラコは布団の中からでも容赦なく、ガスっと足で蹴りを入れた。
不機嫌な態度はいつもの照れ隠しだと思っているから、ハリーは平気な顔で擦り寄ってくる。

「嫌だ、僕は離れないよ。やっとオーラーの仕事が一区切りついて、隠れ家に帰ってこれたんだからね。この『愛の巣』は僕たちの部屋なんだし、キミから追い出されて大広間で寝てたりしたら、「またか」とみんなにバカにされるじゃないか。もう今月は3回目だよっ!もう3回も追い出されているんだからね、僕はっ!!それに明日はせっかくの休みだし、ゆっくりふたりで朝まで過ごそうよ」
その『朝まで』と耳元でささやくハリーの声がやたらいやらしく響いて、ドラコはピクピクと顔を引きつらせた。

「この部屋を『愛の巣』なんて、恥ずかしい名前で呼ぶなっ!!ついでに、貴様の魂胆はミエミエなんだよっ!!」
布団から顔しか出していないドラコは、今度は「ボスッ!」と容赦なく、相手の腹に自分の立派なおでこで、頭突きを食らわせる。

「――ハゥッ!」
不意を疲れたハリーは情けない声を上げて、腹を押さえた。

「卑怯だぞ、ドラコ!何もしていない僕に、頭突きをかますなんてさっ!あいてて……」
「今から何かをされないために、その予防策だ。先手必勝だ!覚えておけ!」
憎たらしいその言葉に、ハリーはむっつりとした顔のまま、ドラコごと布団を持ち上げて、自分のひざの上に乗せ、そのまま布団ごと相手を抱きしめる。

「もう逃げれないね、ドラコ」
ニヤニヤとしたハリーの笑顔に、ドラコは「しまった!」と、自分の取った行動の軽率さに顔をしかめた。
こんなす巻きのような手も足も出ない有様では、ろくすっぽ身動きが出来ないし、逃げるなんて到底無理だ。

にっこりと極上の笑顔を浮かべてハリーは、ゆっくりとドラコを味わうように顔中にキスをする。
音を立てて、軽く撫でるように、まぶたに鼻先にやわらかいほほに唇を寄せた。
特に口元は念入りに、丁寧に形を確認するように重ねて、上唇を舌先で撫でるように舐めて、下唇は歯で柔らかく噛む。

その焦れて来るようなゆったりとした感触に、ドラコから抵抗する意思を奪っていく。
息をするごとに深く重ねてくるキスは、もはや愛撫に近いものだ。
背筋から昇ってくるようなジンとする痺れに、ゆっくりとからだが熱を帯びてくる。

「もう夜中だし、僕も疲れているんだ。勘弁してくれ……」
ドラコはそれでも頑固にキスから逃げようとするが、首筋を相手の節ばった大きな手で撫でられただけで、「ああ…っ」と鼻に抜けるような声が漏れた。

「――なに、ドラコ、止めて欲しいの?本当に?」
意地の悪いハリーの声。
細くて真っ白な首筋をやわやわと荒れた指先で掴むように揉まれると、ぐったりとハリーにそのからだを預けてくる。

「ハリー……、いや」
言葉とは裏腹に目的を持った指先に翻弄されて、一層深く相手の胸に顔を摺り寄せた。
「首筋がいいなんて、何かいやらしいよね。そんなにうなじをピンク色にさせてさ」
含み笑いをしながら、舌先で下から上へと何度も這わせつつ、きつく鎖骨の上を吸い上げた。

「いたい。うう……ん」
その上ずった声にハリーは気分をよくしたのか、いたずらっぽく何度も吸い上げる。
すぼめた唇でそこを責めれば、ドラコの色素の薄い肌に幾重も薄桃色の跡が付いた。

(明日、鏡を見てこれに気づいたら、しこたま怒られるかな?)
ハリーは少し不安になりながらも、ドラコののけぞった柔らかな首筋がたまらなくおいしそうで、またそこに顔を寄せた。

「…ハリー……」
たまらず鼻に抜けるような甘ったるい声を出してドラコは、相手の背中に腕を伸ばす。