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The first star of the evening

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プルルルルル



「もしもし。」

「あっ兄さん?」

「なんだ、アルか。元気にやってるか?」

「それはこっちの台詞だよ、兄さんこそ仕事は順調?」

「まあな。」

「そっか、良かった。」

「で、何の用だ?」

「用事がないと電話しちゃ駄目なの?まぁ用事あることはあるけどね。」

「さっさと言え、お兄さまは暇じゃないんだよ。」

「もう、忙しいお兄さまにお願いなんだけど、27日セントラルに出てこれる?」

「・…なんで?」

「27日にセントラルで大学の受験があるんだ。その後に会えないかなって。」

「そっか・・・考えとくよ。」

「セントラルに来るの嫌?」

「・・・・」

「まだ忘れられないんだね。」

「あぁ・・・」



それからはアルが話しをかえて、ウィンリーがどうのこうのとか、
10分ぐらい話して終わった。


「忘れる…か。」


そう、忘れられたら楽になる。
あの幸福だった時間を忘れることが出来たら、

朝目が覚めて、あの日の記憶が蘇り泣くことも、
ロイと二人で歩いた道を通るたびに胸が苦しくなることも、

全部無くなるんだろう…

それはどんなに楽なことか。


だけど俺は忘れたくない。
絶対に忘れたくないと望んでしまう。


だからこそ、イーストに来た。
ここにはロイとの思い出がつまってるから。

ロイと歩いた道、
ロイと過ごした店、
ロイが居た東方司令部、
ロイが居た家、

何一つ忘れたくないから、俺はきっとずっとここに居る。



作品名:The first star of the evening 作家名:おこた