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Shina(科水でした)
Shina(科水でした)
novelistID. 3543
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Un libro di caso di fortissimo

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「な、んで…」
「なんでって、おまえが急にいなくなるからだろ!」

怒鳴られて、それから、心配したとトムさんが言う
心配なんてしなくていいのに
化け物の心配なんてしなくていいのに
心配する対象は俺じゃなくて、これからあんたの奥さんになる女の人なのに
どうして、どうして

ぶわ、と目の奥で水が広がる感触がした
カラカラに渇いていた喉も、奥の方から水が競り上がってくる感覚がする

「静雄?」
「もう、俺のことなんて、ほっといてください…」

もう、やなんです
トムさんの前で、優しい気持ちでいられないのも
きれいな気持ちで、あたたかい気持ちのままでいられないのも
嫉妬だとか、羨望だとか、そういう醜い感情で埋もれていくのも
全部、全部いやなんです
それなのに、どうしてトムさんは俺の手を掴むんだろう

「し、んぱいなんて、いりません。なにも、いりません。たくさんもらったから、もう、もういい。もういいんです」


苦しい、苦しい

もう、俺に構わないでください

手を伸ばさないでください

俺はあなたに優しくされると縋ってしまう

それはもう許されないことだ


フォルテッシモの戸惑い