二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
仁美@hitomi
仁美@hitomi
novelistID. 25969
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

なんやかんやで

INDEX|4ページ/6ページ|

次のページ前のページ
 











花瓶は病室の近くの窓辺に置いて、俺と丸井先輩は病院の中庭を歩いていた。

「何か奢れよ」

マイペースなのも、ここまで来ると尊敬する。

「…自分で買えば」

つい声色が低くなる。

「おめー何タメ口聞いてんだよ」
「俺もう嫌だ、もうお見舞いなんて来たくない」
「はぁ?てめぇもっぺん、

…何泣いてんだよ」
「う、っうぅ」






幸村部長が倒れた、脳の病気だっつって入院した。

真田副部長がテニス部を仕切るようになった。

「負けてはならんのだ」が副部長の口癖になった。

部活の後は幸村部長のお見舞いに行くのが普通になった。


部長は会いに行く度に笑わなくなってった。


だんだん部長の筋肉が落ちてきてるのがわかった。


頬がコケてきてる気がする。


自分から部活の様子を聞くくせに、聞いたら聞いたでそれっきりほとんど喋ってくれない。


怒り出しそうで泣き出しそうな顔で、どこか一点を睨みつけてるだけ。


副部長は部活をやたら気遣うくせに、俺たちの前では怒鳴りっぱなし。


ばれてないつもりなのかな、すごい疲れてるくせに。



他の先輩たちも不安なのがわかった。

前と何も変わりませんよ、みたいに普通に振る舞ってるけど。

それが余計に痛々しいんだよ。


お陰で部活の時間は緊張した空気がこっそりと張りつめてる。



作品名:なんやかんやで 作家名:仁美@hitomi