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葉月しおん
葉月しおん
novelistID. 28858
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序章・英雄、ミッドチルダに降臨す 1

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1.家康、ミッドチルダに立つ



「う……。こ、ここは……?」

 意識を取り戻した家康は、ゆっくりと体を起こして立ち上がった。しかし、先程までとは違い、大筒の轟音や兵士達の声、銃声や金属音も一切なく、静寂に包まれていた。
 家康は辺りを見渡していると、この景色に違和感を感じた。

「ん? それにしてもここは一体どこなんだ? どこからどう見ても関ヶ原とは違うなぁ」

 家康にとって見たことのない光景ばかりで、先程まで三成と対峙した関ヶ原とは全く違うものだった。鉄で出来た城のような大きな建物がいくつか建っていた。
 空の色も関ヶ原の時とは違って青々としていて、本来ならば見えないはずの月……というよりは月のようなものがいくつか見えている。

「うーん、やはりここは日の本ではなさそうだな……」

 「まいったな……」と多少困惑した表情を浮かべながら右手で頭をかく。それから腕組みをして考えた。

「ここが関ヶ原じゃないというと、ここは一体どこなのか人を探して尋ねるしかないな」

 家康がそう呟くと、その『鉄で出来た大きな城のような建物』から飛び降りた。約十メートルほどの高さにもかかわらず、恐ることもなく両手を広げて高く飛び降りた。
 『鉄で出来た大きな城のような建物』から飛び降りた家康はそのまま足で着地すると「ふう」と溜め息を吐き、汗を拭うような仕草をした。

「さて、誰かいるのか……!?」

 ポンポンと埃を払って人を探そうとしたその時、家康に向けて光線を何本か放射した。それに気づいた家康は右に左に光線を難なくかわし、光線を放射した正体を見る。

「な……何だお前達は!?」

 家康は今まで見たことのない形を見て驚愕した。相手は人間ではなく、衷心に目のような形が付き、やや細長い丸の形をしたからくりだった。
 そのからくりは容赦なく家康に向けて、目のような形をしたものから光線を放つ。家康は舌打ちをしながらも光線を容易にかわしてそのからくりに向けて駆け出した。

「本気でワシを狙うとは……容赦ないな!」

 拳を作って右手で構えると、細長い丸の形をしたからくりに向けて黄金の光をまとった右手で正拳突きを一発お見舞いした。家康の拳はからくりの中心を貫き、その後の風圧でそのからくりは粉砕し、その後ろにあった家康が壊したのと同じ形をしたからくりも、その風圧によって全て粉砕した。ようするに巻き込みというものだった。

「ふぅ……一体どうなってるんだここは?」

 拳を出した右手を下ろして溜め息を一つ吐いた。
 ますます頭の中が混乱してきた家康はまたぼりぼりと頭をかいていると、追い討ちをしかけるように家康が今破壊したものと同じ形をしたからくりが数十体か現れた。

「またお前達か! まだ懲りないのか!」

 気持ちを切り替えて再び体を構えて戦闘態勢に入ったその時、水色の線が家康の前に現れ、青い影が現れた。突然目の前の水色の線と青い影こと一人の少女の登場に家康は唖然とした。
 髪の色は青色で、ショートヘア、青と白を基調とした衣装で額に白い鉢巻きをしている。右手には大きな手甲で、ボルトのようなものを二本ついていて、足にはローラースケートの形をした靴を履いている。
 少年のような雰囲気を漂わせる少女はローラースケートを駆使して家康の周りのからくりを一機、また一機と破壊した。拳で壊し、足技でからくりを壊して一掃した。
 少女によって全てのからくりを破壊することが出来た後、少女は安堵の顔を浮かべて家康が無事であることを確信した。

「ここに民間人がいるって聞いたから駆けつけたのはいいけど、無事でよかったぁ! 安心したよ!」

 少女は家康に声をかけて、怪我をしていないのか尋ねた。

「あの……大丈夫ですか? 怪我とかありませんか?」
「ああ、ワシは無事だ。君の腕前、なかなかのものだな! どこの『武将』だ?」

 少女にとって聞き慣れない単語で首を傾げるも彼女は武将ではないと答えた。家康は武将ではなかったら何者だと聞いた。

「私は『時空管理局』の者ですが……」
「じくう……かんりきょく? 何だそれは?」

 家康にとって聞き慣れない単語を耳にした彼はそれは何だと少女に聞くと、少女は家康がここの人間ではないということに気づいた。

「あっ! もしかしてあなたは……!」

 少女が言いかけたその時、壊したはずの細長い丸のからくりが再起動をして少女に目がけて発射したことに気づいた家康は、少女を抱きながら右によけた。少女は突然家康に抱かれたことで顔が真っ赤になった。

「大丈夫か?」
「あっ……はい! ありがとうございます!」

 少女・スバル・ナカジマは、家康に助けられて、感謝の言葉を述べると、家康は微笑んで「いや、いいよ。大したことないさ」と言った。そう言った後、家康はスバルから離れ、今、発射した機械に向かって走り出し、左手でボディーブローを放ち、右手でアッパーを繰り出した。家康の二発を受けたその機械は粉々になって爆発した。