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7月7日

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翌日、
つまりは七夕当日になるわけだが、
残念ながら今年の七夕は平日で学校がある。
七夕祭自体は週末も行っているのだが、俺は絶対当日派。
七夕に七夕祭に行かないでどうするんだ。そうだろ?

だから、俺は今日の放課後に七夕に行く…予定だ。


俺は高1、ロイは高3、
ロイが忙しい時期だというのは俺にだって分かる。
でもやっぱり息抜きも必要だし、1日だったら良いじゃんと思うし、
俺がロイと行きたい。絶対行きたい。


だって七夕はいつも二人で行ってたんだ。
小さい頃はロイが保護者役で、俺の両親もロイが一緒ならと許可してくれた。
だから、七夕といったらロイと一緒というのが当たり前になってたんだけど、

ロイが中3の時、初めて一緒に行くことを拒んだ。


ショックだったけど、このときはきっと受験が大変なんだと親に言われ仕方なく諦めた。
だが、その次の年もロイは一緒に行くことを拒んだ。でも、この時は高校は忙しいんだろうなと思って諦めた。2年になれば落ち着くかなと思って期待したが、その年は俺がロイと同じ高校に行くための受験勉強でそれどころじゃなかった。

そして今年、エドは無事に高校生になったわけだが、まるで忙しくは無いじゃないか。
ならば今年こそはなんとしてでもロイと七夕に行きたいと気合を入れていたのだが…


「昨日の感じじゃ無理だよな…」


出鼻を完全にくじかれてしまった。
前日なんかに誘ったのが遅すぎたのだろうか…いきなりじゃ嫌だったか?
それとも、やっぱり忙しい?

なんでロイは拒むようになったんだろ…

やばい…ぐるぐると考えていたら、もう家を出る時間を過ぎていた。
急いで制服に着替え、家を出る。
そしていつもの時間に遅れながらもロイの家に向かう。

ロイの家とは正面が同じ方向に向いてるわけではない。
俺の家は道の角だから、玄関を出て角を左に曲がって左側にロイの家の玄関がある。
いつもピンポンを押すと準備を終えたロイが出てきて一緒に学校に行く。
そんな日常が今日も始まると思っていたのだが、

角を曲がって目に映りこんできた光景に俺は固まった。
そして次に身を隠して息をひそめた。




ロイが女と居る――


彼女…?


嘘だ…


信じられなかった。


でも、よくよく考えてみれば…
そんなの当然だよな…
ロイはもう高3で彼女が居て当たり前。
顔だってそれなりにいいし、勉強もスポーツも出来る。
モテないわけがない。

俺だって告白されたことあるんだし…



そっか…

彼女、

居たんだ。


だから一緒に七夕行けないんだ。



苦しい…

急に心臓のあたりが苦しくなった。
なんでこんなに苦しいんだよ。

さっきまでピンピンしてたのに、


ロイと女の姿見たら…

思い出すと一層苦しさが増した。


なんなんだよ…


なんでだよ…


すげぇめでたいことなのに。


なんで俺はこんなにショックを受けてるんだ――


先を越されたから?

違う…

じゃあ言ってくれなかったから?

そうか…それだ。

なんだよロイのやつ。
俺にぐらい教えてくれたっていいのに…
ずっと一緒に居たのに。

全然気づかなかった…

ちくしょ…





作品名:7月7日 作家名:おこた