Distorted Love
Distorted Love 2 ―静雄Side―
薄暗い夜の中、家に向かっていると、公園で見知った人影を見つけた。
…だが、何か様子がおかしい。
「帝人……お前泣いて…」
「しっ静雄さん!!??…僕泣いてなんか……っ」
「臨也か?」
その一言で帝人の体がビクッとはねる。
「何されたんだ??」
「……何もされてません。」
「それなら俺の目を見て言え。」
「…っ!!!………きっと僕が悪いんですよ。」
泣きながら無理やり笑顔をつくろうとしている。
………俺は帝人とあいつの関係を知ってる。
出来ることなら俺が帝人の隣に当然のように立っていたかった。
だけど、悔しいことにあいつのそばにいるときの帝人は本当に幸せそうだった。
だから俺は身を引いたんだ。いつまでも帝人には笑っていて欲しい。たとえその相手があんな奴であろうと。
……なのに今帝人はつらそうに泣いてる。それも一人きりで。
「なあ、帝人。……俺はずっとお前のそばにいてやる。何があってもだ。……だから頼むからそんな顔で泣かないでくれ。」
こいつがどれほどの悲しみを背負っているかは分からない。だけど……だけどお前は一人じゃないんだ。少しだけでもいいから俺に背中を預けてくれ…。絶対受け止めてみせるから………――――。
作品名:Distorted Love 作家名:ゴルベーザ