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ヅラ子とベス子のSM(すこし・ミステリー)劇場

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《付録5》かぐたんのぷちぷち☆ふぁんたじぃ劇場おかわりR



【19】おじさんの後頭部を踏みながらすこんぶを貪り食う娘

「……げっ、原型をほぼ留めてないんじゃないかなぁっ」
アルアル少女にカンフーシューズで踏み踏みされながら、地面に這いつくばっていたグラサンおじさんが苦しそうに頭をもたげました。
「んあ?」
すこんぶ少女は首を傾げました。おじさんが元ネタを補足しました。
「泥水がはねるのを嫌って、地面に放ったパンを踏んで道をわたったばちあたりな娘がGo to hellするお話さっ」
「ふーん、」
すこんぶ食み食み、少女はおだんご頭を傾けました。――なんて勿体ない、私だったらその子がパンをブン投げた瞬間にトッ込んでってぜんぶひろっておなかに収める! すこんぶまじりのよだれを垂らして少女は思うのでした。


【20】はだかのしょーぐん様

(前略)
こうして事件の真相は闇に葬られました。代わりに公然わいせつ罪及びその他諸々すべての罪を着せられた哀れなむしょくのグラサン髭おじさんがろうやにブチ込まれ、懲役420年の刑を喰らいましたとさ、メデタシメデタシ♪


【21】ブレーメソのバンド隊

昔々あるところに漂流人生に疲れた四十路手前のグラサン髭おじさんがいました。おじさんは流しのフォークギター弾きでした。
ある日おじさんはとある居酒屋で、世紀末からトリップしてきた(としか思えない風貌)のブルースハープ吹きのおじさん(推定)と知り合いました。
すっかり意気投合したふたりはバンドを組むことにしました。おじさんデュオでもそれなりに濃いいワンフ(約一名確定)はつきそうでしたが、賑やかしのためにそのへんで拾ったチンパンシンバル人形(無口なクールビューティ担当)もメンツに加えて、都合スリーピースバンドを編成しました。
ヴォーカルはグラサンおじさんがギターと掛け持ちするとして、もう一人くらい、やっぱベースかドラムは入れたいよなぁ、町外れの寂びれたライブハウスでおじさんたちが額を寄せて相談していますと、
「――よっ、」
世紀末無頼派おじさんの肩を叩く者がありました。おじさんははっとして振り返りました。
「隊(団)長……!」
ゆーはしょっくは絶句しました。無頼派おじさんの視線の先に立っていたのは、彼の上司の赤毛のおさげにーちゃんでした。にーちゃんはにこにこしながら言いました。
「なぜ俺を誘わない?」
「はぁ……」
おじさんはマントの背中にびっしょり冷や汗を掻きながら愛想笑いを浮かべました。美形設定でゴリ押せるボーダーはギリクリアしているおさげにーちゃんが加わることでバンドの華は確実に増すでしょう、が、それは決して触れてはならない毒花でした。
「?」
事情を飲み込めずにいるグラサンおじさんの方を向くと、にっこり笑ってにーちゃんが言いました。
「バンドリーダーは俺、メインヴォーカルも俺、それで問題ないスよね?」
「はぁ……」
かつて官僚時代の長いものには巻かれろ精神を立ち所に発揮しておじさんは頷きました。菫色の目の奥がちぃとも笑っていないおさげにーちゃんの無言の威圧、抵抗したところで何ら意味がないことは本能的にも察せられました。
おさげにーちゃんが強引に割り込んだおかげで、グラサンおじさんはギターとベースとハーフ&ハーフで両方やる羽目になり、ドラムはスティック縛り付けたねじまき式のチンパン人形を上に乗っけてヤツの振動でどーにかする、というかなり無謀な設定になりました。苦しいバンド構成事情などどこ吹く風、ヴォーカル担当のおさげにーちゃんはやる気満々です。
すぐにも客を入れて生ライブをやる、と言って聞かないのを、――カメリハ→ランスルー→本番の順でやるのが何気にプロっぽいですよ、世紀末おじさんがどうにかなだめすかして、まずは客なしでリハーサルをやってみることにしました。
「俺の俺による俺のためのセッション、今日は皆楽しんでくれセンキュ!」
エア観客に向かってにーちゃんがごきげんノリノリで声を張りました。ライブハウスの壊れたマイクをハウリングさせて響き渡る破滅の歌声、噂は噂を呼び、以来付近に近づこうとする者はありません。こうして彼らは誰ひとり犠牲者を出すことなく(おじさんふたりは耳栓装着済み)、廃墟のライブハウスを丸ごと一軒接収することに成功しました。
「だからぁ、俺はライブがやりたいんだよっ!」
最初のうちこそにーちゃんもブータレていましたが、――いや無名のバンドが電撃的にレコードデビュー、のがカッコイイっすよ、かなんか世紀末おじさんが今度もテキトーに言いくるめて、今はスタジオこもりきりでせっせとデビュー曲及び同時発売予定のアルバム曲の制作にいそしんでいます。オール作詞作曲全部俺、ちなみにジャケ写ももちろん画伯(←他意を込めた他薦)級の腕を持つ彼が描く予定です。


【22】ツッキーのおんがえし

ある日の夕刻のことでした。
――トントン、じむしょの表戸を叩く者がありました。
「はぁい、」
天パおじさんとアルアル少女に眼力で負かされる前に自ら察して応対に出たメガネ少年が、からから引き戸を開けました。
「……お、おばんでありんす」
うわの空でトンチキな挨拶をカマしてきたのは玄関に立っていたのはヤンデレ武闘……もとい、特殊遊戯場の用心棒をやっているツッキーおねいさんでした。とある事件の際に、じむしょの方でもちょいと絡んだことがありました。
「いやその、ぬ、ぬしに礼がしたいと思うてな」
メガネ少年に連れられてりびんぐにやってきたおねいさんは、謎の風呂敷包みを抱えたまま、ソファにダベっている天パおじさんをちらちら見たり目を逸らしたり、あからさまにそわそわしていました。
(……。)
アルアル少女とメガネ少年はわぁとおもいました。おっちゃんはまるで緊張感なくいつものよーに鼻の穴かっぽじっていました。胸の包みをぎゅっと抱え直してツッキーが言いました。
「礼をさせてもらう間、わっちは向こうの部屋におる。――いっ、いいか、決して覗くんじゃないぞっ」
――ドスドスッ! ソファの背凭れに喉の両脇からクナイを突き付けられて、
「……、」
グータラおじさんは天パを逆立て、冷や汗をダラダラ垂らしながら目を白黒させて首をコクコク縦に振りました。
「……向こうの部屋、覗いてあげた方がいいんじゃないですか」
クナイを仕舞っておねいさんが移動したあともリビングでうだうだテレビを見ている天パおじさんに、けーたいゲーム機からちらと目を上げたメガネ少年が言いました。
「そーだよ、行ったげなよ、銀ちゃんみたいなヘタレにはとーてい背負いきれないすんごい重いモンくれる気だよ、」
すこんぶぽりぽり、アルアル少女も半目で言いました。
「ヤだよ、覗くなってクギどころかクナイぶっ刺されてんのに、俺は無駄に命を粗末にしない主義なの」
などと、天パのおっちゃんはもっともらしいことを言いながら大あくびをし、りもこんでテキトーにザッピングしていました。