二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

complete

INDEX|4ページ/9ページ|

次のページ前のページ
 

~新一side2~






俺は怖かった。
全てを話したあと、黒羽の態度が変わってしまったらどうしよう。
軽蔑されてしまったらどうしよう。
俺は臆病だから…

でも、気が変わった。


「親友だから。」

どうにか誤魔化せないかと逃げていたけど、黒羽のこの一言で全部話そうと思った。
元々、いつかは話そうと思っていたことだ。
いつかも今も変わらない。

親友にだって秘密があってもおかしくはないと思う。
でも、俺は黒羽には全部話したい。
黒羽には秘密にしていたくない。

黒羽の親友という言葉を信じる。
黒羽を信じる。

だから、黒羽なら大丈夫。



静かに深呼吸したあと、
俺はゆっくり全てを黒羽に話した。


俺が告白したんだ――
おかしいよな――
ちゃんと分かってるんだ――

でも、好きなんだ――

本当にどうかしてるよな――


初め黒羽は何故か謝ってきたが、謝るのはこっちだ。
そして静かに最後まで聞いていてくれたことに心の中で感謝した。
俺はホッとしていた。

(やっと黒羽に話せた…)

でも、ホッとするのも束の間だった。
黒羽の様子がおかしい…
やっぱり軽蔑されてしまったのだろうか…

「黒羽、俺を軽蔑するか?・・・・・黒羽?」

「・・・・・・・」

「なぁ、黒――」




黒羽が…泣いていた。


黒羽が泣くところなんて初めて見た…と思う。
曖昧になってしまう理由が分からなくて混乱していると、黒羽が立ち上がった。

「ごめんっ」

「おいっ黒羽っ!!!」

黒羽はそのまま家を出て行ってしまった。
どうしてか追うことは出来なかった。
黒羽の泣いた横顔が頭から離れなかった。

俺は力なくソファに沈み込んだ。


その日は一睡も出来なかった。
黒羽のことが気になって仕方がなかった。

黒羽はどうして泣いていた?

俺が話さずにいたから?
恋人が男だったから?
恋人が泥棒だったから?
KIDだったから?

どれも嫌う理由にはなっても、
黒羽が泣く理由にはなっていない気がする。

そして一番気になるのが、
俺は以前何処かであの泣いた横顔を見た気がする…

一体いつ?何処で?

俺は大学で初めて黒羽に出会った。
最初から馴れ馴れしい態度で、でも不思議とそれに対して不快感はなかった。
大学で会うときはいつも黒羽は笑っていた。
俺が本を読んでいてそっけなくした時も、
俺が事件に没頭して連絡を全然いれなくても、
すねることはあったけど、泣いたことなんて一度も無い。
家に居ても同じ、長い時間一緒に過ごしてもいつも楽しそうに笑っていた。

じゃあ俺は一体いつ見たっていうんだ。
勘違い?…違う気がする。

ちくしょ・・・・


こういう時…
普通の恋人なら相談とかすんのかな・・・・・

KIDに会いてぇ…




そういえば――

KIDが一度泣いたことがあった――


あれは確か――


作品名:complete 作家名:おこた