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俺が1つの真実を導き出した頃にはもう朝陽が指していた。
簡単にシャワーをあびて、着替えいつものように大学に向かった。


大学に着くと黒羽を探したのだが、
想像通りあいつの姿が見つかることはなかった。
このまま大学で待っていても来ないだろうと思い大学を後にする。

「ばかいと。俺を避けるなんて許さねぇ」


俺はある場所に向かい、歩き出した。
その場所はごく普通のビルの屋上。

でも、そこは俺達の思い出の場所。
俺がKIDに気持ちを伝えた場所。


今でも簡単に思い出せる。
俺が気持ちを伝えた時、KIDは珍しく動揺した。


「お前が好きだ。」

「それは光栄です。」

「俺と付き合ってくれないか。」

「・・・・・へ?」

「好きだ。」


ボン!!
そんな効果音がピッタリだった。
トリックでもなんでもない、KIDの顔が一瞬にして真っ赤になった。
月明かりだけなのにそれはもうはっきりと分かった。

俺は緊張とか、恥ずかしさとか、
そんなんでいっぱいいっぱいで半ば強引に話を進めた。

「付き合ってくれるよな?」

「・・・・・はい。」

全然ロンマンチックなんかじゃなくて、全然格好良くもなかったけど、
今思えば、KIDも呆けた状態で返事をしてた気がする。
それでも俺は嬉しくて嬉しくて、大切で幸せな思い出としてしっかり心に刻まれた。


思えばあの時のあの反応…

まったく…
手間かけさせやがって…




きっと黒羽はそこに居る。


作品名:complete 作家名:おこた