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葉月しおん
葉月しおん
novelistID. 28858
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英雄、ミッドチルダに降臨す3

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 家康は地面を蹴って飛び上がり、拳を構えてやや空中にいるガシェットを五機ほど破壊し、真下にいるガシェットも着地と同時に破壊して爆発した。地面に手をついて着地した後、すぐに立ち上がり、一機、また一機と爆破する。ガシェットから触手のようなものを出して家康の動きを止めようとするが、家康はそれらを全て掴み、体ごとぶんぶんと振り回した。
 ジャイアントスイングをしながら周囲のガシェットを数十機以上破壊し、手に持っているガシェットの束十機も使い物にならないまで壊れて投げ捨て、ほかのガシェットに、地面に、瓦礫に当てて爆発した。
 その後も次々とガシェットを破壊していく家康の戦いっぷりにスバル達フォワード陣は唖然としながらも感嘆する。

「何なのあの人……本当に魔力を微量も持たない民間人なの?」
「す……すごい……」
「たくさんのガシェットを相手に立ち向かうのが凄すぎる……」
「キュルゥ~」
「す……すごい……その強さはもしかしたらなのはさん達並みかも……」

 家康の戦いっぷりはフォワード陣だけではなく、なのは達隊長陣も感嘆した。

「家康の奴、凄すぎだろ……。三千機だったガシェットももう半分になってやがる……」
「テスタロッサ、お前もそう思わないか?」
「何がですか? シグナム」
「家康の奴、三千機を相手でも息一つ上がってはいないではないか」
「そうですね」
「噂では聞いてたけど、本当に家康君ってすごいよね!」
「そ……そうですね。あはは……」

 ヴィータとシャーリーは唖然とし、なのは、フェイト、シグナムは感心して次々とガシェットを破壊していく家康の勇姿を見ていた。
 なのは達隊長陣は、多くて百体もののガシェットの相手をするが、それは大抵魔法で一掃というところだ。スバル達の場合は数十体ほどが限界である。
 家康の世界では戦場に出陣する時は少なくても数百人というのは当たり前だったし、数千人いてもおかしくない時代だった。また、一対多数という戦いも当たり前で、常にそうやって戦場を駆け抜けた。
 家康は多くて数千人を同時に相手をするほどで、三千機はむしろ家康にとって少ない方だ。
 家康はガシェットの攻撃をかわしながら接近し、左腕でエルボーを繰り出し、左右にいるガシェットには両腕を広げてダブルラリアットを出して、ガシェットを粉砕した。ガシェットを掴み、ガシェット同士をぶつけたりして破壊した。
 三千機から半分以上まで減らしても、未だ息一つも上がっていない。

「相手が人間でもからくりでも、変わらず、か……」

 ぽつりと、家康は余裕の言葉を呟くと、切り替えて拳を構え、金色に光らせた。右手を突き出して正拳突きを放ってガシェットを貫き追討ちをかけるように風圧が発生し、広範囲にガシェットを次々と粉砕した。

「受けてみろ!」

 これもガシェットも学習したのか、空中に集まっていき、家康の距離では届かない……と思ったその時だった。家康の足元には徳川家の家紋である葵の紋が出現し、その葵の紋はみるみるうちに拡大し、最大限まで大きくなった時、家康は右手を天高く突き出したと同時に黄金の光が天高く現れた。その光は空中にいるガシェットにも有効で、空中にいるガシェット達は全て光に飲み込み、大きな音を立てて爆発した。
 それでもしぶとく生き残ったガシェットは再び空まで向かい、家康に向けて一斉攻撃を仕掛けてきた。
 一斉攻撃をするということは、もうそろそろ家康の訓練も潮時なのだろう。家康はガシェット達の一斉攻撃でさえも顔色一つ変えずに右手を構えて地面に向けて右手からは一回、二回、三回と光らせて右手に力を込めていた。
 そして目を大きく見開いて、右手を地面に向かって殴りつけ、地面は大きく揺れた。家康からは大きな円状に地面が抉り取られ、瓦礫も地面の破片も舞い上がり、また、殴られた部分は大きな円状に抉り取られるだけではなく、大きな地割れや大きな音を立てて地面が盛り上がっていた。
 残りのガシェット達は、その地面の破片とか盛り上がったところに見事に命中し、三千機のガシェットを全滅したことで、家康の初めての模擬戦は終了した。

「ガ……ガシェットドローンぜ……ぜ……全滅……」

 一方のなのは達はあんぐりとしていた。
 まさか、ガシェット三千機をたった一人で全滅させるほどの強さを、家康が持っていたとは思ってもみなかった。しかも、魔法なしで。
 家康はふぅ、と一息吐いて、模擬戦中ずっと被っていたフードをはずした。周囲にガシェットがいないことを確認し、瓦礫の山を飛び越えて、なのは達がいるビルの屋上まで向かう。

「どうだ? ワシの戦いは。ざっとこんな感じだったが」

 家康は自分の実力派こんな感じだと言うが、なのは達は何も言わずに硬直していた。

「あ……あの……皆? ど……どうしたんだ?」

 硬直して動かないなのは達に家康は困惑した表情になる。もしかしたら彼の戦い方に何か問題でもあるのでは、と思った。
 すると――

「すごぉおおおおい!」
「……え?」

 沈黙を一番最初に破ったスバルは歓喜して、拍手をしながら家康に詰め寄った。それに続くようにティアナ、エリオ、キャロも家康を囲むように詰め寄った。

「凄すぎますよ! 改めて家康さんの戦いを見て、かっこよかったです!」

 スバルは目をきらきらと輝かせて改めて家康の戦いぶりを見て感動する。

「魔法を使わないでその強さって……あなた、本当に民間人ですか!?」

 ティアナは家康の勇敢且つ豪快な戦いを見て、本当に民間人なのかと疑いたくなるほど驚愕した。

「驚きですよ! たった一人でガシェット三千機を全滅させるだなんて!」
「というか、終わりら辺に出たあの技は何ですか!?」
「キュクル~!」
「え!? ちょっ、ちょっと待て! 近いよ!」

 どんどん詰め寄っていくフォワード陣に家康は困惑し、顔を赤らめて恥ずかしくなっていく。シグナムとヴィータに助けを求めるが、彼女達もフォワード陣の輪の中に加わってしまい、質問攻めをされたり、もみくちゃにされたりして、家康は内心涙目になり、部下の一人に助けを求めた。しかし、心の叫びも虚しく、届くことは一切なかった。

「あはは……家康君、大変だね」
「うん……」

 なのはとフェイトとシャーリーは苦笑いをして、スバル達にもみくちゃにされている家康を見ていたのである。


 ついに動き出す凶王。
 やがて家康は六課の一員として初めての任務を実行する――
 そしてまた、蒼紅もミッドチルダに降臨する