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葉月しおん
葉月しおん
novelistID. 28858
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英雄、ミッドチルダに降臨す3

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 夜――ミッドチルダの中心部にて、白い光が突然降りてきた。空は晴天であるが、まるで落雷のように森の中に光が降りた。
 その光の中からは、三日月の兜立てがついた黒い兜をかぶり、青と黒を基調とした戦装束を身につけ、右目に眼帯をつけた青年と、オールバックで左頬に傷があり、黄土色の羽織を身につけた男性が姿を現した。
 先に目を覚ましたのは青年の方で、ゆっくりと体を起こした。

「うっ……ここは……どこなんだ?」

 意識が朦朧としているためか、ここがどこなのかはわからない青年は、隣に倒れている男性の体を揺さぶる。

「Hey,wake up 小十郎! 起きろ!」

 男性――小十郎が青年に揺さぶられると、次第に意識を取り戻し、辺りを見渡した。どうやら森の中へ来たのだろう。

「政宗様……ここは一体……?」
「Ha、目覚めたか小十郎。どうやら見た感じだと日の本じゃねえようだな」
「……と、言いますと?」
「どうやらオレ達、違う世界に飛ばされたらしいぜ」

 青年・政宗もようやく意識がはっきりした頃にここが日の本ではないことを認識し、月の数を見ても明らかに違う世界に飛ばされたのだと政宗は推測する。
 小十郎は怪訝な顔をして、政宗に今後のことを伝えた。

「あの……政宗様……今はどこなのか、森に出て人に聞かれるのがよろしいかと……」
「Ha! お前もcoolな考えをしてるじゃねえか、小十郎! オレも丁度お前と同じideaを浮かんだところだ」

 険しい表情をする小十郎に対して政宗は不敵な笑みを浮かべて待ちかねたかのように嬉しそうな顔をしている。

「さぁて、どんなpartyが待ってるだろうねぇ」

 夜空に浮かぶいくつかの月……いや、惑星を眺めながら、政宗は一体どのような展開が待ち受けているのか楽しみで仕方がないのだ。
 政宗の好奇心に少々呆れながらも小十郎は君主の政宗の意のままに彼の後を追って森を出発した。


 だが、政宗と小十郎はこの先、家康がいるということを知らなかった