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Sweet Food

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本当にズボンから靴下が半分以上見えてしまって、かなり格好が悪い。

「今さ、マグルで流行っているのがさ、ズボンを下げて履くのがいいらしいよ。腰までずり下げて履いたら、丁度すそもぴったりの長さになるよ。そういうファッションをしたらどう、ロン?きっとモテモテだよ」
ニヤニヤ笑ってハリーがからかう。

「それは間違ってもこんなダサイ制服のズボンじゃないだろっ!なに言ってやがるっ!」
ロンは思い切り、ハリーの首にヘッドロックをかました。
「イテテ……」
ハリーは痛がるが決して逃げようとはしない。
ヘラヘラ笑ってばかりいる。ロンは手加減せずに相手の髪の毛に手を突っ込んで、ありえないほどグチャグチャにかき混ぜた。
「ヘヘン」という満足そうな顔をして笑う。
「ナイスで前衛的な髪型にしてやったから喜べ、ハリー!」
「そりゃどうも!」
フンとハリーがそっぽを向いた。

そのすねた横顔を見てロンはふと、自分のシャツの袖でグイっとハリーのほほを拭った。
「今度はなに?」
ぶすっとした声でハリーがじろっとにらんだ。

「まだ付いてたよ。そこにチョコが」
ロンは自分の汚れた袖口など気にするふうでもなく気軽に言う。
その答えを聞いた途端、ハリーは嬉しそうな笑顔になった。
ロンの顔ばかり見てニコニコ笑う。

ハーマイオニーはすかさずそこは女の子の特権で、堂々とロンの腕をつかむと、取ってつけたようなかわいい笑顔で
「さぁ、図書館へ行くわよ、ロン。宿題を見てあげるから」と引っ張った。

「あわわ……」
ロンはしり込みをした。
「冗談じゃないよ。せっかくの休日になんてことを言うんだ。休日はゆったり休むが、ウィーズリー家の家訓だっ!」
などと訳の分からないことを言って、ふたりから離れて大広間を跳びだした。

作品名:Sweet Food 作家名:sabure