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逃避行しましょうか【メフィ燐】

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己の末弟であっても、どうでも良かった、と言っても過言ではない。
けれど、数少ない親友の所為で、嫌でも燐の姿が頭から離れなくて。

「なぁなぁ可愛いだろー!かわいいだろー!俺の息子達っ」

「煩い黙れ親ばか発言しに来ただけなら帰れこの生臭神父」

メフィストは持っていたペンで顔をでれでれに伸ばしている藤本の顔をさしてやろうかと思ったが、
今書いている資料に血を被せるわけにもいかず、それに元々今使っているペンがお気に入りでもあったので、
刺すということは諦めてやっていた。けれど、先ほどからこの男は自慢の息子達だ!と言いながら、
見せなくてもいい写真をこれでもかと見せびらかせてくる。
写真など、定期的に送られてくる報告書で見ているというのに。

「いつにもなくメフィストが辛辣だな。っと、見てみろよー!これな、こないだの運動会の時の写真だぜー!
 燐すごいだろー!かけっこで一等取ったんだぞー!あ、言っておくがやらんからな」

ぴきっとペンが軋みを上げたと気がついたときには既にペンはまっぷたつに折れていて。
そのまま藤本の脳天めがけて投げつてやる。
しかし、藤本はひらりとそのペンをかわして、ドヤ顔をするものだからメフィストの米神に青筋が一本立った。

「誰がいるか!いい加減に用もないのに私の部屋に入り浸るな!帰れ!!」

「いいじゃん減るもんじゃねーだろー」

「私の精神がすり減る!仕事の邪魔をするな!」

「メフィストのけちー。ほーら、燐が俺が作ったおにぎり美味しそうに食べてる写真だぜーいいだろー」

余りにも煩かったので、写真を燃やしてやったらその日から数週間は理事長室が使用できなくなったのは良い思い出だ。