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内緒です

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チャットルーム




バキュラさんが入室されました。

バキュラ【ばんわース】
田中太郎【あれ、バキュラさん?】
バキュラ【何スか田中太郎さんだけッスか】
バキュラ【金曜の夜なのに予定無いとか、】
バキュラ【チーム男子☆もっと頑張らないと】
田中太郎【ここにいる時点で人の事言えないですよね】
バキュラ【合コンオフでもしますか】

内緒モード 田中太郎【沙樹さんにチクるよ】
内緒モード 田中太郎【ていうか、ログに残ったけど】
内緒モード バキュラ【あやべ、】
内緒モード バキュラ【お前のせいだぞ帝人、】
内緒モード バキュラ【今日杏里誘ったけど断られたって?】
内緒モード バキュラ【だからってチャットとか寂し過ぎるだろ!】
内緒モード バキュラ【見てらんなくてキチャッタ☆だろうが、】
内緒モード 田中太郎【悪かったね暇で】

セットンさんが入室されました。

セットン【ばんわー】
セットン【ログ見ましたけど、合コンの話?】
田中太郎【セットンさんばんわです】
田中太郎【バキュラさんが何か一人で言ってるだけですから】
セットン【合コンって行った事無いしよく知らないんだけど】
セットン【面白いのかな】
バキュラ【最高ッスよ!俺がいれば】
田中太郎【どうなんですかね】
セットン【出会い方としては今は一般的なのかな】
田中太郎【そう言われるとそうですね】
バキュラ【スルー?俺スルー?】

内緒モード バキュラ【お前他には、】
内緒モード バキュラ【誰かいないのか、】
内緒モード 田中太郎【?他って?】
内緒モード バキュラ【そりゃ杏里がその気ならそれが一番良いけど、】
内緒モード バキュラ【今度マジでやるか合コン】

田中太郎【バキュラさんが合コン合コンしつこいので】
田中太郎【そろそろ落ちます】
セットン【www】
セットン【そんなに嫌なんだwww】

甘楽さんが入室されました。

甘楽【こんばんわ☆】
バキュラ【俺はやる時はやる男です】
甘楽【えー太郎さん落ちちゃうんですかぁ?】
バキュラ【そんなに?!www】
田中太郎【あ甘楽さん、すいませんまだ居ます、こんばんは】
田中太郎【いや、ああいう雰囲気苦手で】
甘楽【やだーバキュラさんたらセクハラ☆】
セットン【なるほど】
セットン【甘楽さんばんわー】
甘楽【でもでも、無理強いはダメですよぅ】
甘楽【太郎さんは真面目なんですから】
バキュラ【お前は死ね】
甘楽【―




「…お前が死ね」

なんて素の返答を甘楽として返す訳にもいかないので【きゃっひどーい☆】などと適当にチャット上では流しておくが余計な事言いやがって覚えておけよ紀田正臣、呟き目を細めブラウザを軽く睨む。
チャットは淡々と、時折バキュラと田中太郎の内緒モードを挟みながら会話が続けられ、その『全て』を漏らさず確認しながらも素知らぬ振りで参加する。

情報屋が自分主催のチャットで得られる情報をむざむざ逃す理由は無い、よって当然内緒モードのログは誰から誰へでもマスターの自分だけは全て見れる仕様だ。

あの甘ったるい珈琲を全て飲み干したのにも気づかない程仕事に集中していたらしく、先刻思い出してチャット画面を確認してみればあんな流れになっていて急ぎログインした。全く園原杏里だけでも厄介なのに他の女にまで目を向けさせようとするとは紀田正臣は俺に恨みでもあるのか、あったな。
本人に自覚は無くとも軽く意趣返しをされた気分だがこれを切っ掛けに何かあったら万倍返しにしてやると口角を上げ決意しながら、貰ったものはきちんと返さないとね、取り敢えず喉の渇きを再度癒そうと少し席を離れキッチンへ向かう。

どんな趣向を凝らした嫌がらせをしてやろうか、いやその前にこの話題をどうやって切り替えるか思案しつつ戻ってきてチャットのログを遡り、

「…」

紀田正臣くんありがとう。
決意は一転して感謝へと変わった。しかしこの場合、貰ったものを返す気は全く無い。


喉の渇きは未だ癒えていなかったが、行き先でまた甘ったるい珈琲を飲めばいいと事務所を飛び出した。

作品名:内緒です 作家名:湯鳥