【かいねこ】鳥籠姫
「蘇生の儀式には、魔力の高い生け贄が必要となる。魔界から、危険な魔物を召還しなければならないからな。生け贄の魔力が低いと、術者が食われる恐れがある。そんな生け贄は、おいそれと用意できるものではないし、儀式が失敗すれば、術者への反動も大きい。下手をすれば、一生廃人だ。危険が大きすぎて、今ではそんな儀式を行う物好きはいない。それに」
いろはに向かって、にやりと笑うと、
「いろはにとっても、その方がいい。お前のような人形は、元々生け贄用として作られたのだから」
「え!?」
いろはとアッサムが同時に声を上げると、玉露がうんざりした顔で、
「お前まで驚くな、馬鹿」
「いいいや、だって、初耳だぞ、それ!人形は、労働力の代わりじゃないのかよ」
「お前が無知なだけだ。人形は本来、魔力を封じて儀式の生け贄にするものだ。魔力の高い人間など、そうそう都合良く見つかるものではないからな」
「ええええ・・・・・・怖いなー、お前の国」
「人間を生け贄に供えるほうが、よっぽど恐ろしい」
「え、じゃあ、私もイケニエにされちゃうんですか!?」
涙目で怯えるいろはに、玉露は笑いながら手を振って、
「生け贄を必要とする儀式は、時間も手間も掛かる上に、成功率が低い。そんな馬鹿馬鹿しいことをする気はないな。大体、俺は天才だから、そんな七面倒くさいことをする必要はない」
「うっわ、ムカつくけど反論できない」